Alden Diary

《オールデン追加パーツ》トゥスチールの必要性を考える:メリット・デメリット、取り付け方法、交換のタイミングまで解説!

こんにちは、オールデンライターのうりちきです。

今回は《オールデン追加パーツ》シリーズとして、『トゥスチール(金属製のトゥプロテクター)』について検討してみます。トゥスチールは靴の爪先を保護するための金属片で、取り付けることで靴底の寿命を延ばし、修理費用を節約する効果があります。

しかし一方で、見た目や歩き心地に影響を与えるともいわれます。

そこで今回は、オールデンの靴にトゥスチールを取り付けることのメリットとデメリット、取り付け方法、交換のタイミングなどをまとめてみました。

是非、これからトゥスチールを取り付けるかどうか悩んでいる方々の参考にしていただければ幸いです。

vintage steel

 

トゥスチールとは何か:基本的な機能

まず「トゥスチール」とは、革靴の先端部分、つまり「トゥ」部分に取り付ける金属製の部品のことを指します。

トゥスチールの主な目的は『革靴の先端部分を摩耗や損傷から守ること』にあります。

私たちが歩行する際、靴の爪先部分は、地面に接触してその衝撃と摩耗を受けるので、靴の中でも最も損傷しやすい箇所の1つです。また日常生活の中で、つまづいたり何かにぶつけたりというアクシデントがあったとき、靴の爪先は最初にダメージを受けます。

トゥスチールがあることで、これらの衝撃や摩耗から靴自体を保護してくれるので、靴の寿命を延ばすことが可能となります。

さらに、靴先の摩耗は、靴へのダメージだけでなく見栄えにも大きく影響しますね。

革靴は長く使うことで風合いが増すものですが、シワや細かな傷とは違って靴先の摩耗による損傷は、人によってはその風合いを損なうと感じるかもしれません。

そのため、トゥスチールを取り付けることで、見栄えへのメリットがあるともいえそうです。

しかし、全ての靴にトゥスチールを取り付けるべき、というわけではありません。

トゥスチールの取り付けは、靴のスタイル、機能性、そして所有者の歩き癖やライフスタイルによるところが大きいといえます。

そのため、個人個人の状況に合わせて検討してみるのが良いでしょう。

さてここまで、トゥスチールの基本的な機能と利点について触れてきましたが、次とその次のセクションでは、トゥスチールのメリット・デメリットについて更に深掘りしていきます。

 

トゥスチールのメリット

トゥスチールには前述したように、革靴の長寿命化や見た目の維持といった、数多くのメリットがあります。ここでは主なものをいくつか挙げて説明します。

摩耗による損傷を防ぐ

まず、トゥスチールの最も大きなメリットは、なんと言っても靴先の摩耗による損傷を防ぐことです。

これによってソール交換等の修理頻度を下げることができ、靴自体の寿命を伸ばすことにもつながります。

お気に入りの一足を長く保つことを重視する方にとって、トゥスチールは非常に有効な手段と言えるでしょう。

トゥが削れることによる見栄えの悪さを防ぐ

また先にもふれたように、トゥスチールは靴先が削れてしまうことによる見栄えの悪さを防ぐ役割も果たします。

釈迦に説法ではありますが、革靴はビジネスシーンなどでの印象を大きく左右するアイテムですね。

おろした以上はソールのすり減り自体は仕方のないことですが、革靴の顔ともいえる爪先正面のすり減りは思った以上に目立つものです。

トゥスチールはその点でも優れた効果があるといえるでしょう。

 

トゥスチールのデメリット

一方で、トゥスチールにもいくつかのデメリットが存在します。

それらを理解した上で自身の状況に照らし合わせ、トゥスチールの使用を検討することが重要ですね。

下記に代表的なデメリットについて簡単に紹介します。

取り付け費用がかかる

トゥスチールの取り付けは、お店や種類にもよりますが、数千円から1万円程度の費用がかかることが一般的です。

そのため、靴の使用頻度や保有期間などを考慮し、それがコストパフォーマンス的に妥当かを見極めることが必要です。

金属が床に当たることで、音がしたり床が傷つく恐れがある

また、トゥスチールは金属製のものが多いので、床に当たることで音がする、または床を傷つける可能性があります。

そのため、静寂を重んじる場所や高級なフローリングのある場所では注意が必要です。

特に大理石や木の床を歩く場面では、トゥスチールの使用は避けられることが多いようです。

滑りやすくなる

トゥスチールを取り付けた靴は、滑りやすくなる傾向があります。

歩行時の安全性に影響を及ぼす点なので、自身のライフスタイルや歩行状況を考えて選択したいですね。

特につま先から接地することの多い『下り階段』で滑りを感じやすいので、階段を駆け下りる習慣がある方は注意が必要です。

爪先に異物感やひっかかりを感じる人もいる

また、靴の爪先に金属が付いていることで異物感を感じたり、歩行中にひっかかりを感じる人もいます。

これは個々の感覚によるところが大きいため、もし可能であれば、実際にトゥスチールを付けた靴を試し歩きしてみることをおすすめします。

人によっては見た目が悪くなったと感じる

最後に、これはメリットと相反しますが、トゥスチールが付いていることで見た目が悪くなったと感じる人もいるようです。

これは完全に主観的な評価で、全く気にならないという方も少なくないので、トゥスチールを選択する際には、自身のファッションスタイルやビジネスシーンでの印象なども考慮に入れてみてください。

 

トゥスチールを取り付けるタイミング

トゥスチールを取り付ける際の最適なタイミングについては、何を重視するかによりますが、大抵の場合『靴を履き始める前の新品の状態』が最適とされています。

その理由は、トゥスチールがネジで固定されるパーツであるため、既に靴先が削れてしまっていると、適切に取り付けることが難しくなるからです。

特に、靴を長く履き込んで爪先部分が大幅に摩耗してしまった場合、適切な取り付けのためには、先に摩耗部分の修理が必要となることがあります。

このような修理は余分なコストと時間を要するため、可能であれば新品の状態でトゥスチールを取り付け、最初からその効果を享受する方が良いといえるでしょう。

 

トゥスチールの取り付け方法

トゥスチールの取り付け工程は、パーツやショップによっても多少異なりますが、大枠は下記のような手順となります。

1. 靴底の先端部分を少し削って研磨し、平らにする。

2. ソールの削れた部分にトゥスチールを埋め込む

3. ネジを使ってトゥスチールを固定する。

これはソールを削ってトゥスチールを取り付ける手順です。

トゥスチールの厚みの分ソールを削っているので、靴底に違和感が少ないことが利点です。

一方、靴自体を削ることに抵抗があるのであれば、トライアンフ(TRIUMPH)の薄型トゥスチールや、イーグル(Eagle)のトゥスチールなど、ソールを削らずにそのまま取り付けが可能なものもあります。

Eagle

こちらは取り付け手順は簡易化されますが、上記の埋め込むタイプのものより歩行時の違和感を感じやすいようです。

特にソールの切削を要しない方法であれば、トゥスチールの取り付けは、手順自体はそれほど複雑ではありません。

しかし、工程の途中で失敗した場合、修復が難しいため、やはり専門的な知識と経験を持つプロに依頼することを推奨します。

これまでにご紹介した<凄腕リペアショップシリーズ>でも、トゥスチールの取り付けを手掛けるリペアショップを数多く紹介していますので、是非ともチェックしてみてくださいね。

オールデンを修理する方法には選択肢が三つある 凄腕リペアショップのリスト

 

トゥスチールの費用

トゥスチールの取り付け費用や交換費用は、取り付けるスチールの種類や工程によって変わりますが、一般的には数千円から1万円以下が相場となっています。

(参考1)

ラコタハウス(切削なし):¥2,420(inc. Tax)

(参考2)

Refare(埋め込み):¥4,000〜¥5,000(税抜)

 

プロに依頼すると、確実にトゥスチールが取り付けられ、出来栄えも自身で行うより美しく、しかも長持ちします。

そのため、少々の費用がかかることを考慮に入れても、結果的にはコストパフォーマンスは高いと言えるでしょう。

 

トゥスチール交換のタイミング

トゥスチールの画像

摩耗したトゥスチール

トゥスチールは靴の寿命を延ばすためのパーツですが、そのスチール自体も靴と共に磨耗します。

つまり、トゥスチール自体も交換が必要となるパーツです。

では、具体的にはいつ頃トゥスチールを交換すべきなのでしょうか。

そのタイミングは一概には言えませんが、一つの目安として、『トゥスチールが磨耗し、そのダメージがソールにまで到達する直前』と考えると良さそうです。

スチールの先端がペラペラになったり欠け始めたら、そろそろトゥスチール交換を検討しましょう。

トゥスチールの交換を怠り、そのまま靴を履き続けてしまうと、当然ですが今度は爪先のソール部分が磨耗し始めます。

それが進行すると、上の「取り付けのタイミング」でも述べたように、余分な修理費用がかかることになります。

よって、早め早めの対策が望ましいですね。

また、歩き癖により、爪先よりも先にソール(特に足指の付け根付近)が磨耗してしまう人もいます。

そのような人は、トゥスチールに加えてハーフラバーの取り付けも視野に入れてみても良いでしょう。

ハーフラバーについては以前に別記事で詳しく紹介しましたので、ぜひあわせてご覧ください。

《オールデン追加パーツ》オールデンを購入したらハーフラバーはつけるべき?

以上の点を注意しながら、靴とトゥスチールの状態を定期的にチェックし、必要な交換やメンテナンスを行うことで、愛用の一足を長く快適に履き続けられるでしょう。

 

オールデンにトゥスチールをつけるべきか

では結論として、オールデンの靴にはトゥスチールを取り付けるべきでしょうか。

それはこれまでにも述べたように、一人ひとりの趣向や履く環境、靴への愛着度など、様々な要素によって変わります。

ここまでトゥスチールのメリットやデメリット、取り付け方や交換時期、費用などを説明してきましたが、是非これらの情報も参考にして、ご自身で総合的に判断してみてください。

ただし、もしあなたのオールデンの愛靴が『ダブルレザーソール』である場合、もう1つ検討材料があるかもしれません。

ダブルレザーソールの爪先は削れやすい?

例えば代表的な990や975モデルにも採用されていますが、オールデンによく見られる『ダブルレザーソール』は、その特性上、爪先が削れやすいソールであるといえそうです。

具体的には、一般にレザーソールは合成ゴムよりも磨耗しやすいため、通常よりも早いペースで爪先部分が削れてしまいます。

さらにその中でも、ダブルレザーソールはシングルよりも厚みがあり硬いため、爪先の返り癖がつきにくいといわれます。

そのため、新しい靴でまだ歩き込んでいない状態では、つま先が持ち上がらないため、歩行時に余計に削れやすい、という訳ですね。

そうした観点から見ると、オールデンの靴にトゥスチールを取り付けることは、靴底の長寿命化や修理コストの節約という意味で、かなり有効な選択肢といえるかもしれません。

しかしもちろん、靴の見た目や歩き心地を最優先したい方、靴底の自然な磨耗を楽しむ方にとっては、トゥスチールの取り付けは必ずしも必要ではないでしょう。

そのため、繰り返しとなりますが、自分自身の靴への思いやライフスタイルに照らし合わせた選択をすることが大切ですね。

 

まとめ

今回は、オールデンの靴にトゥスチールを取り付けることのメリット、デメリット、取り付け方法、交換のタイミングについてまとめてみました。

トゥスチールの取り付けは、靴底の寿命を延ばすという大きなメリットがありますが、見た目や歩き心地に影響を与える可能性もあります。

また、オールデンの特に『ダブルレザーソール』のモデルに対しては、その特性上、トゥスチールのメリットは相対的に大きいかもしれません。

しかし、最終的な判断は皆さんのライフスタイルや愛靴への考え方によるところが大きいので、自分自身にとって最適な選択を総合的に行うことが重要ですね。

この記事が、皆さんの「オールデンとトゥスチール」に関する選択の一助になれば幸いです。

ここまでお読み頂き、ありがとうございました!

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