Alden Diary

オールデンが訴訟?!アメリカの裁判で何があったのかを解説

オールデンの靴の画像

2020年にアメリカで報じられたオールデンの訴訟について

昨年オールデンコレクターの間で激震が走ったニュースがありました。日本では誰も触れることなく、スルーするのはあまりにも不自然なため、「訴訟により」語られた内容をまとめた記事の意訳という形でブログに掲載します。恋は盲目という言葉がありますが、その言葉を絵に描いたような物語です。どれほど賢い人であっても、どれだけ成功している人であっても、ちょっとした心のスキに魔がさすと道を踏み外してしまうものなのですね。特に異性関係の魔は強力です。言い換えれば、勉強や努力などせず、この「心のスキ」だけを狙う専門家が存在しても不思議ではありません。オールデンコレクターの皆さん、気を引き締めていきましょう。

そしてオールデン社の皆さん、当時この事実が発覚して驚いたことでしょう。でも恥ずかしがる必要はありません。あなた方は上場企業ではなく、ファミリーの信頼で成り立っているファミリービジネスで働いているのですから。だからこそこんなに非効率でかっこいい靴を作ることができるんです。また新たな伝説が作られたのですよ!We love Alden!

 

結論から簡潔にお伝えします。

2020年6月に伝えられたニュースによるとオールデン社の最高財務責任者リチャード・ハジャール氏2,000万ドル(約20億円)以上を横領し、美人ニュースキャスターのビアンカ・デ・ラ・ガルザ氏1,500万ドル(約15億円)を送金していました。オールデン社はその不正に気づき、違法行為で捻出した金であることを知りながらそれを受け取ったビアンカ・デ・ラ・ガルザ氏を訴えています。

 

元ニュースキャスターと紳士靴メーカーのオールデンとの接点

元ニュースキャスターで、現在では美容製品の販売やマーケティングを行う彼女とオールデンの間にはどんな関係があったのでしょうか。

以下はサフォーク郡の上級裁判所での訴訟の内容です。

オールデン社の弁護士によると、同社の元取締役兼最高財務責任者であるリチャード・ハジャール氏は、オールデン社から2,000万ドル(約20億円)以上を盗み、1,500万ドル(約15億円)を様々な形でビアンカ・デ・ラ・ガルザ氏に提供しました。メルセデスベンツ、ジュエリー、100万ドル(約1億円)のニューヨークシティの部屋、テレビ番組枠の資金などに当てられました。201961日に提出された文書によると、ハジャール氏による横領の疑いは、現社長のアーサー・ターロウ・ジュニア氏の不動産計画の過程で発見されました。

 

リチャード・ハジャール氏の経歴

ハジャール氏は1987年にオールデンに入社し、ハジャール氏の父親もまた、現社長の父である元社長の公認会計士として働いていたので親子二代でオールデン社の金庫番をしていたことになります。ハジャール氏は30年以上にわたり、オーナーファミリーの重要なメンバーであり信頼できるアドバイザーでした。2019年まで、ハジャール氏はオールデンの副社長兼企業秘書、取締役会のメンバー、および最高財務責任者で「ほとんどの日常の財政問題を処理する」責任にありました。

 

ハジャール氏とビアンカ・デ・ラ・ガルザ氏の出会い

ハジャール氏は2012年頃、ビアンカ・デ・ラ・ガルザ氏が早朝番組の司会をしていた頃に出会いました。彼らは「親友」になり、ハジャール氏は彼女にロマンチックな興味を抱くようになります。「その後の数か月から数年にわたって、ハジャール氏とビアンカ・デ・ラ・ガルザ氏は頻繁に連絡を取った」 「一緒に休暇を過ごした。そしてハジャール氏は数十万ドル(数千万円)相当のプレゼントを購入した」と記録されています。しかし、これらは氷山の一角でした。2019年10月、法廷会計調査の結果、オールデン社はハジャール氏が2,000万ドル(約20億円)以上を横領したことを発見しました。 

 

横領のスキームは?

現社長のアーサー・ターロウ・ジュニア氏は、ハジャール氏に会社の内部留保(会社にあるはずの現金)の一部を家族の信託に移すように依頼した後、不正の疑いを発見しました。資金移動は一向に実行されず、催促を繰り返した後、ハジャール氏は「サンタンデール銀行の口座にある資金を会社の営業口座に送金して、分配できるようにする予定である」と述べ、その後、ハジャール氏は会社に来なくなりました。

いつまでも送金がされず、アーサー・ターロウ・ジュニア氏は「何が起こっていたのか」と尋ねるためにテキストメッセージを送りましたがハジャール氏は応答しませんでした。その後、アーサー・ターロウ・ジュニア氏がサンタンデール銀行を訪れたとき、「1,000万ドル(約10億円)をはるかに超える」と推定される「オールデンの内部留保のほぼすべて」が欠落していることに気づいたのです。

訴訟によると、ハジャール氏はサンタンデール銀行の口座から消えた現金の大部分を取得し、さらに、オールデン社の名義で800万ドル(約8億円)の無許可の信用枠(借り入れ枠)を開設し、その限度額全てを引き出し、数年にわたって、会社が過去に使っていた無効な不動産信託口座に少なくとも2400万ドル(約25億円)を送金したとされています。 ハジャール氏はその不動産信託口座を使って小切手を切り、「法外な」個人のクレジットカードの請求書を返済したという。残りのお金はビアンカ・デ・ラ・ガルザ氏と彼女の事業の継続に使われました。

 

行方不明になったお金の使われ方

ビアンカ・デ・ラ・ガルザ氏はテレビ業界で15年以上キャリアを積んだ後、2012年頃にハジャール氏と出会い、2014年には早朝番組を辞め、自身の会社を立ち上げました。ハジャール氏は2015年から2019年の間に少なくとも1150万ドル(約12億円)を彼女に送金しました。ハジャール氏はニューヨークシティに110万ドル(約1億円)の部屋を共同で購入(彼女は返済しなかったと訴訟は言います)。その他にも、メルセデスベンツ、60,000ドル(約600万円)のダイヤモンドブレスレット、158,000ドル(1600万円)のダイヤモンドリング、ハンドバッグ、衣類、その他の高級品とともに購入したとされています。

ハジャール氏はまた、「ニーマン・マーカス」のパーソナルショッパー(ビアンカ・デ・ラ・ガルザ氏のためにカスタマイズされたバイヤー。セレクトしてくれる個人スタイリストみたいな人)にアメリカン・エキスプレスカードを渡し、毎月数十万ドル(数千万円)の請求額を積み上げました。

昨今、経営破綻に追い込まれ、オールデンのリテーラーでもあった「ニーマン・マーカス」をハジャール氏は支えていたし、私もその一端を担っていたのか!

しかし、そのお金の大部分は、ビアンカ・デ・ラ・ガルザ氏を特集したテレビ番組制作のため830万ドル(9億円)を含め、彼女の会社に支払われたとされています。

 

ハジャール氏の言い分

資金調達契約により、ハジャール氏はビアンカ・デ・ラ・ガルザ氏の会社の株式50%を取得し、その投資と、融資では年利10のリターンを得ることができると述べましたが、返済時期のスケジュールは示されていませんでした。この合意により、この契約を「唯一かつ排他的に管理」することができ、ハジャール氏は決してお金を取り戻しませんでした。

このあたりの話は専門的で難しいので簡単に理解しておきましょう。会社の50%の株式を取得すると、その会社の儲かった金額の50%を配当として得ることができます。これを「出資」と呼びます。つまり会社の部分的なオーナーなので配当をもらえる可能性がある一方で、ビジネスが儲からなかった時は配当をもらえません。さらにビジネスが失敗した場合にはそのお金を失うことになります。

また「融資」は「出資」とは別で、お金を一定の金利で貸してあげることです。上記の約束では10%なので貸した金額の元本を10年間かけて回収していくイメージです。年利10%はかなりキツい金利で不動産を転売する人たちや、その中でも信用力の低い人が短期で借りるようなレートです。とはいえ返済時期のスケジュールが示されていないということは、家族間の少額な貸し借りであるような、「期限なしある時払い」のような朗らかなルールです。これら「出資」と「融資」を使い分けて、多額の金銭をビアンカ・デ・ラ・ガルザ氏の会社に流し込んでいたのです。

2015年には、深夜番組「Bianca Unanchored」が、いくつかの地域でスタートしました。この番組はファッショントレンド、北東部のホットスポット、有名人、デート、お酒について、さまざまなトピックを取り上げるバラエティ番組で土曜日に放送されます。初演は、ガンズ・アンド・ローゼズのギタリストであるスラッシュの独占インタビューでした。残念ながらこのプロジェクトは利益を生まず、そして会社自体も「決して利益を上げることがなかった」のです。他の潜在的な資金源との資金調達取引について話し合ったが、ハジャール氏が提供したのと同じ条件を得ることができなかったとビアンカ・デ・ラ・ガルザ氏は述べています。合計でハジャール氏はその番組制作のために1,230万ドル(約13億円)を注ぎ込んだと言われています。

「利益を生まなかった」とありますが、うまくいかず利益を生まなかったパターンと、儲かっているのに利益を生まないように見せるパターンが存在します。利益を生まない時は株主に配当をする必要もありませんので故意にそのように見せるのです。上記の内容ではどちらのパターンかは読み取れませんでした。

2018年のフォーブスのインタビューで、ビアンカ・デ・ラ・ガルザ氏はハジャール氏について言及せず「私はショーを始めました」「私はすべてのお金を集め、すべての配給先(番組枠)を手に入れました。」と言っています。

訴訟によると、ビアンカ・デ・ラ・ガルザ氏は彼女の別の会社の資産を「混ぜ合わせた」と言います。また、会社のアカウントから「定期的に」メールを送ったハジャール氏がオールデン社の従業員であることを知っていたとも述べています。原告(オールデン社)は、ハジャール氏が彼女の個人的およびビジネスに資金提供するために使用した金額を持っていなかったことを「知っていた。あるいは、知っているべきだった」と言います。

資産を「混ぜ合わせた」とあります。全部がっちゃんこすると別の会社の借金を返済できたり、この会社が儲かっているのに、儲かっていないように見せることができます。どんぶり勘定だった、とも聞こえますが上記からその真意は読み取れませんでした。

 

オールデン社側の対応

訴訟によると、「数十万ドル」のプレゼントに加えて、ビアンカ・デ・ラ・ガルザ氏は1500万ドル(約15億円)以上のお金を受け取りました。 2019年だけでも1022日の23万ドル(約2300万円)の送金を含め、230万ドル(約2億3000万円)を受け取ったとされています。

オールデンの弁護士は1115日にビアンカ・デ・ラ・ガルザ氏に、不正に流用された資金の即時返還を要求する手紙を送りました。 3日後、彼女の法務チームは、資金を信託口座に送金する旨を返答しましたが、これまでのところ返還されていません。ビアンカ・デ・ラ・ガルザ氏は誠実な金を受け取ったわけではなく、資金に対する権利もありません。オールデン社の訴訟は、ビアンカ・デ・ラ・ガルザ氏からの損害賠償と返還、および彼女が不正を通じて受け取ったすべてのお金と財産を取り戻したいと考えています。

オールデン社はまた、ハジャール氏に対して民事訴訟を起こしました。オールデン社が返還を求めた2700万ドル(約27億円)のうち300万ドル(約3億円)を返済したと報道されています。

オールデン社は合計で2700万ドルの返還を求めていますが、うちハジャール氏に求めている金額は上記からは読み取れませんでした。

 

以上がこれまで報道されている内容の意訳です。情報がアップデートされた際には追記します。

参考サイトはBoston Globe
A local shoe company says this former WCVB host received $15 million stolen from them. Now, they want it back.

 

※2021年5月5日のアップデート : 参考サイトはBoston Globe
Former Alden Shoe CFO pleads guilty in $30 million embezzlement scheme

 

元最高財務責任者3000万ドルの横領スキームで有罪を認める

ボストンの連邦検察官によると、オールデンの元最高財務責任者リチャード・ハジャール氏は3000万ドル(約30億円)を横領したことで有罪を認めました。

弁護士の声明によると、ハジャール氏は違法な金銭取引や虚偽の確定申告を認めたようです。2020年9月15日の判決で30年以上の懲役を言い渡されました。

2011年から2019年10月までの間、「会社の銀行口座から自分自身に小切手を書き、会社の口座から自分の個人口座と別の個人に資金を送金する」ことによってお金を使い込んだと詳細に述べています。

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