ロングウィングチップでもないショートウィングチップでもないATOM（アトム）って何？

左がオールデン3192、右が3193。ともにATOM Wingtipと呼ばれる

ユナイテッドアローズで買ったオールデンのコードバンシューズ「3192」や、同じ形のブラックコードバンモデル「3193」。これらの靴はいったい何と呼べば良いのだろう？オールデンの代表的なロングウィングとは装飾の長さが違うし、外羽根式のショートウィングチップとも何となく違う。そんなモヤモヤをすっきりさせるための記事です。

ATOM（アトム）とウィングチップシューズを混同してはいけない

この点が本記事の結論にあたるかも知れません。「ATOM（アトム）」とは、甲から踵にかけてのデザインの一種を指す言葉、と覚えておくことをおすすめします。ATOMはオールデンには古くから存在する意匠で、特徴としては以下の二点です。

「ATOM（アトム）」とはこのデザインを持ち合わせたモデルに付与される言葉なので、ウィングチップを示す言葉ではないのです。オールデンでは数は多くないものの「ATOM ＋ Wingtip（アトムウィングチップ）」や「ATOM ＋ Cap Toe（アトムキャップトゥ）」などといった様々なモデルが展開されています。

オールデン3192と3193とはどんな靴？基本情報を紹介

オールデン3192と3193は「ATOM（アトム）」と「Wingtip（ウィングチップ）」両方の特徴を持ったコードバンシューズです。

Alden 3192 Color 8 Shell Cordovan ATOM Wing Tip Blucher

英語で表記
Alden 3192 Dark Burgundy Cordovan ATOM Wingtip Blucher

日本語での表記
オールデン 3192 ダークバーガンディー コードバン アトム ウィングチップ 外羽根式

Alden 3193 Black Shell Cordovan ATOM Wing Tip Blucher

英語で表記
Alden 3193 Black Cordovan ATOM Wingtip Blucher

日本語での表記
オールデン 3193 ブラック コードバン アトム ウィングチップ 外羽根式

3192と3193の魅力を分析

3193を横から。遠目に見るとロングウィングに見えなくもない

装飾について

前から見ると鳥が大きく羽を広げたような装飾（ブローグ）があり、この特徴から「ウィングチップ」とか「ショートウィングチップ」と呼ばれることが多いです。975や9751と同様にアメリカの靴らしい印象を与えます。

そして「かんぬき」から「踵」までを豪快に結ぶ装飾がユニークな点です。かんぬき部の縫製と装飾が入り組み、とても派手に見えませんか？

アッパーと羽根の接続部分から、踵まで伸びる装飾がATOMの特徴

踵のデザイン

後ろから見ると踵のデザインも一風変わっています。踵を形成するコードバンは、かぎ型にカットされていて、外から内側に向けて回り込んでいます。非対称のひねりが小さな違和感を生み、目が釘付けになります。

ウェルトとアウトソールについて

360度リバースウェルトと呼ばれる構造です。アッパー部分とアウトソールの接続部分に注目してみると、靴の周り一周（360度）に渡り、切り返されたコードバンが沿っています。二本のステッチが並行して走っているので、最も頑丈な構造の上に、そこには目を引く煌びやかさがあります。また通常のレザーソールとは異なる、樹脂製のアウトソール「プランテーションクレープソール」を備えているので履いている時の快適さはスニーカーを凌ぐものです。以上の特徴から「3192」と「3193」は極めてカジュアルなポジションの一足であると言えます。

ATOMを後方から。かぎ型の材料を使った踵もATOMの特徴の一つ

オールデンのATOMとは？まとめ

オールデンの「ATOM（アトム）」は甲から踵にかけてのデザインの一種であり、希少であるものの世界にはATOMを持ち合わせたいくつかの靴が存在します。その中で代表的なモデル「3192」「3193」は、ATOMとウィングチップの両者の特徴を有する、極めてカジュアルなコードバンシューズであります。975や9751とは一味違うウィングチップを求めている方におすすめです。