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《今さら聞けないオールデン》グッドイヤー・ウェルテッド製法って何?革靴の代表的な製法を解説

グッドイヤーウェルテッド?

突然ですが、オールデンといえば「グッドイヤー・ウェルテッド製法」ということは、オールデン好きの方で知らない方は少ないでしょう。

しかし『実際にどんな製法なのか』『製法の特徴は』『他の製法と何が違うの?』となると、ズバッとはっきり答えられない方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、「グッドイヤー・ウェルテッド製法」を中心とした、革靴の代表的な製法について簡単にご紹介してみましょう。

革靴の製法とは

はじめに『革靴の製法』についてみてみましょう。

革靴を製造する主工程として、甲部(アッパー)と底部(ソール)とを接合する「底付け」という工程があります。

この底付けの仕方によって革靴の性能や履き心地・見た目などが大きく変わる、非常に大切な工程とされていますね。

単に『靴の製法』といったときは基本的にこの底付けを指すことが多く、革などからアッパーを作る工程は『製甲』といって『製法』とは区別されるようです。

さて、底付けの方法は様々ありますが、大きく分けると『縫い付ける』方法と『接着する』方法に分かれます。

もっと詳しくみていくと「ステッチダウン式」など『縫い付け+接着』の複合製法や、スニーカーなどに用いられる『一体成形』等の製法もありますが、ややこしくなるので今回は割愛することにしましょう。

革靴の代表的な3種の製法

オールデンなどの高級靴に用いられる製法として、押さえておきたい代表的なものは3つ、すなわち『縫い付ける』製法の「ウェルト式」と「マッケイ式」、『接着する』製法の「セメント式」です。

今回はこの3種類(とその中の派生)に着目してみてみましょう。

ウェルト式

「ウェルト式」とは、「ウェルト」というパーツを利用した『縫い付ける』製法です。

パーツが増えて縫い付けの回数も増えるため、工程の手間はかかりますが、アッパーに損傷を与えずソール交換が出来るため、愛靴を修理しながら長く楽しむことが出来る製法ですね。

「ウェルト式」はウェルトの形状や縫い付け方によって更に幾つかの製法に派生するのですが、ここでは特に代表的な3つについて紹介します。

グッドイヤー・ウェルテッド製法

「グッドイヤー・ウェルテッド製法」は、19世紀にC.グッドイヤーJr(英)が開発した、『縫い付けて』作る製法です。

ほとんどのオールデンが採用している製法ですね。

当ブログ内でもたびたび登場し、オールデンファンであれば名前を知らない人の方が少ないでしょう。

『アッパー(+インソール)とウェルト』『ウェルトとアウトソール』をそれぞれ縫い付けて製作することで、構造上アッパーとアウトソール が直接連結しないことが特徴ですね。

それにより、アッパーへのダメージを最小限にアウトソールの着脱が可能なので、複数回のオールソール交換修理にも対応できるという最大のメリットがあります。

また中底とアウトソールとの間に空間ができるため、そこにコルクなどを詰めることで履き心地が良くなることも利点です。

コルクたっぷりはオールデンの魅力の1つですね。

メリット

何度も修理しながら、愛着を持って長い期間楽しめる

内部のコルクが変形していくことで、履くほどに足になじむ

デメリット

履きはじめはソールの返りが悪い

他製法と比べて重いことが多い

ハンドソーン・ウェルテッド製法

「ハンドソーン・ウェルテッド製法」は「グッドイヤー・ウェルテッド製法」のベースとなった製法です。

ほとんどの工程を手縫いで行うため、立体的な成型に優れますが、とにかく時間と手間のかかる製法ですね。

アウトソールとウェルトを縫い付ける「出し縫い」を機械で行うものを「九分仕立て」、手で縫うものを「十分仕立て」と区別することがあります。

グッドイヤー・ウェルテッド製法との違い

グッドイヤー・ウェルテッド製法:ウェルトとの縫い付けのために、インソールにリブ(細長い布製テープ)を接着して作成

ハンドソーン・ウェルテッド製法:リブの後付けではなく、『ドブ』と呼ばれる凹凸部をインソールから削り起こして作成

メリット

何度も修理しながら、愛着を持って長い期間楽しめる

手作業な分、グッドイヤー・ウェルテッド製法よりもデザイン・スタイルの自由度が高い

デメリット

とにかく多くの時間と手間がかかるため、今日ではほぼビスポークシューズに限られる

ノルウィージャン・ウェルテッド製法(リバース・ウェルテッド製法)

 

「ノルウィージャン・ウェルテッド製法(リバース・ウェルテッド製法)」は、断面がL字状になったウェルトを用いた製法です。

上記のグッドイヤーやハンドソーンと比較すると、『ウェルト・アッパー・インソール』を接合する掬い縫いが、靴の側面に完全に露出していることが大きな特徴ですね。

こちらの製法では、ウェルトがアッパーの端部を覆い隠すことで、防水性・防塵性に優れるという利点があります。

インソールにドブ起こしをしたものを「ノルウィージャン・ウェルテッド製法」、リブを接着したものを「リバース・ウェルテッド製法」と区別することもあります。(グッドイヤーとハンドソーンの違いと同様ですね)

また日本では、「リバース・ウェルテッド製法」のことを「外縫い式グッドイヤー・ウェルテッド製法」と呼ぶこともあります。

メリット

とにかく頑丈で、「グッドイヤー・ウェルテッド製法」より防水性・防塵性に優れる

ウェルトを介して縫い付けるので、アウトソールを交換して愛靴を長く使用できる

デメリット

重く、工程が複雑

マッケイ式

「マッケイ式」は、「ウェルト式」と同じく『縫い付ける』製法です。

中継パーツとなるウェルトを用いず、直接甲部と底部とを底付けするので、「ウェルト式」と比較すると軽い一方で頑丈性には劣りますね。

また靴の内側からも底付けの縫い目が確認できます。

「マッケイ式」にも派生する製法がいくつかあるのですが、今回は最も代表的な「マッケイ製法」についてのみご紹介しましょう。

マッケイ製法

 

「マッケイ製法」はイタリア製の靴に多い製法です。

「グッドイヤー・ウェルテッド製法」と同じく『縫い付ける』製法ですが、こちらはアッパーとアウトソールを直接縫って作る『単式縫い』となります。

縫い糸を解くことでオールソール交換も可能ですが、アッパーや中底のダメージを鑑みると、交換修理は12回が限界でしょう。

メリット

コバに出し縫いがかからず、見た目がすっきりとスタイリッシュ

ソールの返りが良く、軽くて通気性が良い

デメリット

耐久性にやや劣る

アウトソールの縫い穴から水が染み込むことがある

セメント式

最後に「セメント式」とは、圧着機を使い甲部と底部とを『接着する』製法です。

現在婦人靴のほとんどがこの製法で、またスニーカーは高価なものでも本製法であることが多いようですね。

接着と縫い付けを併用する「ステッチダウン式製法」なども半分はこの「セメント式」に含まれるのかもしれませんが、ここでは接着のみを使用した「セメンテッド製法」についてご紹介します。

セメンテッド製法

 

「セメンテッド製法」は、アッパーとアウトソール を直接『接着する』製法です。

コストを抑えられるため、スニーカーなどにも多い製法ですね。

デザインへの制限が少なく、また縫い穴がないため他製法より防水性に優れることも利点です。

一方、基本的にオールソール交換修理が出来ないため、ソールが磨耗すれば即買い替えとなってしまいます。

メリット

デザインの汎用性が高い

雨靴などにも採用される防水性

デメリット

縫い目のある構造より蒸れやすい

まとめ

今回は「グッドイヤー・ウェルテッド製法」を中心とした、革靴の製法について簡単にご紹介しました。

ここでご紹介した製法をまとめると以下のようになります。

靴の製法全体図

靴の製法全体図

まだまだ他にも製法はありますが、オールデンファンであればまずはこの辺りを押さえておけば良いのではないかなと思います。

特に「グッドイヤー・ウェルテッド製法」と「リバース・ウェルテッド製法」はウェルトの見た目が異なり、靴の印象も左右するので、違いが判別できると通ですね。

また後日、関連して『オールデンのウェルト形状』について詳しくご紹介しようと思いますので、是非合わせてチェックしてみてください。

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