とうとうこの日がやってきました。オールデンコレクターの中でも愛用者の多い腕時計「ロレックス」についての記事を書く日が。当ブログ「オールデンのコードバンが大好き」で機械式腕時計担当をしているGoroがお伝えします。
※写真はロレックス社の公式サイトから
ロレックス社の人気スポーツモデル、エクスプローラー1(エクワン)は英国の登山家エドモンド・ヒラリー卿とシェルパ(シェルパとは本来ネパールの少数民族の名前ですが、現在では登山支援を行う高地民族を広く指します)のチベット人テンジン・ノルゲイが、エベレストへ初登頂した際に装着、その歴史的快挙を見届けた時計として有名です。1953年に登場して以来変わらぬシンプルなデザイン。この時計の魅力とロングセラーであり続ける理由と併せ、紹介します。
エクワンの歴史
ロレックス社は1953年にエベレスト登頂時にエクスプローラー1で、山頂からの景色を見届けたとされています。しかし、実際登頂に使用された時計は同社のHPの画像を見る限り、現行モデルとは全く異なる外観です。
※写真はロレックス社公式サイトから
白文字盤で、レザーストラップという外観の時計が現行モデルらしくなったのは、1954年から1955年に誕生したREF6610からです。これはエクワンの特徴であるメルセデス針(自動車メーカーであるメルセデスのスリーポインテッドスターに似ていることからこのように呼ばれます)、黒文字盤、3、6、9時のアワーインデックスがアラビア数字、50m防水という特徴を持つスタイルに落ち着いています。
その後、REF1016からREF14270へ続きます。REF1016では100m防水、REF14270から風防がサファイアクリスタルとなったことで現代風の堅牢な時計へ変わります。
2021年3月時点での最新モデルは2016年にマイナーチェンジしたREF214270です。2010年のフルモデルチェンジで直径が39㎜と3㎜アップし、ムーブメントも改良を加えられています。2021年春の新作発表ではこのエクワンのモデルチェンジが囁かれています。
※写真はロレックス社の公式サイトから
エクワンは人気が無かったから、デザインも継承?
エクワンは今でこそロレックスの人気モデルですが、その昔は人気の無いモデルでした。それを証するようにREF1016は20年以上もモデルチェンジが無く(マイナーチェンジはありましたが)、乱暴な言い方をすれば「放ったらかし状態」でした。
さらに1987年に製造中止後、復活するまで3年間の「空白期間」が存在します。
人気モデルであれば製造中止して空白期間を設けるなんてありえません。1990年にREF14270として復活してから約7年間その地位に変化は無く、比較的入手しやすいモデルとして店頭に並んでいました。
しかしある「事」がきっかけで、国内のショーケースから姿を消します。
キムタクによってブレイク、オスカー俳優や富豪も愛用
1966年生まれの僕が30代になり、エクワンは俳優木村拓哉が1997年に出演したドラマ「ラブ・ジェネレーション」で装着したことにより突然、人気商品となります。
「あのロレックスは何?」と口コミで(ネット上では無く本当の意味で)数多く取り上げられ話題沸騰しました。ちょうどロレックスを検討していた1998年、僕Goroは販売店で、38万円(税込)にて勧められます。しかしあまりにも人気となっていた事で僕は興醒めし、結局REF14000エアキングを31万円で購入するのです。
僕がエアキングを購入して以降、更に人気は加熱します。並行店では正規価格に10万円以上プラスされた「プレミア販売」が常態化します。これが日本におけるロレックスブームの始まりだと僕は考えます。
海外へ目を向けるとオスカー俳優「トム・ハンクス」がエクワン愛用者です。映画「ダヴィンチ・コード」のワールドプレミアで、エクワンを付けた姿が目撃されています。ビジネス界ではスターバックス元CEOで富豪のハワード・シュルツも愛用者として有名です。
これらのブレイクは日本の人気が飛び火した訳では無く、デイトナ人気がそのままエクワンや他モデルへ流れた印象を受けました。
魅力はアイコニックなデザインと優れた耐久性
エクワンはモデルチェンジが無かった事で、長い期間デザインが継承されました。それが時代の変化と共に評価され、今に至ります。ハワード・シュルツ氏、トム・ハンクスと言うアメリカンドリームの体現者が、公的な場でエクワンを使用していることはドレスコードを越えて使えるアイコニックなデザインである事の証でしょう。
そして優れた耐久性は紛れも無い事実。黎明期より継承された頑丈な造り、特に防水性の高差は賞賛するべきです。「高級時計は壊れる」という常識を「ブチ壊し」、100m防水を業界標準にしたことは、2010年以降のラグスポ潮流へ繋がったと僕は考えています。
※写真はロレックス社の公式サイトから
オールデンと同じ高い評価を持つ時計
エクワンの高い評価は今や揺るぎないもの。もし改良する部分を挙げるなら耐磁機能です。デザインはこのまま継承されると僕は考えます。通常ロレックスは春にあわせてモデルチェンジを実施します。エクワンが2021年4月に新しくなる可能性も当然「アリ」でしょう。
どんな服とも相性が良いエクワンは、オールデンと同じ、またいつの時代でも冒険者のための時計であり続けています。足元にオールデンがあればきっと最高の組み合わせでしょう。
皆さんもオールデンとエクワン、どうですか?
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