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オールデンとグランドセイコー、なぜアメリカで人気がある?

こんにちは、時計担当のGoroです。今日紹介するグランドセイコーはスイス時計ブランドに引けを取らない国内ブランドです。海外では北米を中心に人気が高く、欧州での評価も上昇しています。彼らの真摯な物造りへの情熱はオールデンと相通じるものがあると筆者は感じています。その魅力を詳しく紹介します。

2017年にセイコーHから独立、同社のグローバルブランドへ

かつてグランドセイコーはセイコーホールディングス(以下セイコーH)内の『最上位シリーズ』と位置づけられていました。そのシリーズを世界へ売り込みをかけるブランドとして、2017年の「バーゼルワールド」期間中にセイコーHからの「独立」を発表したのです。

現在セイコーHは自社製品の内「プロスペック」と「グランドセイコー(以下GS)」をグローバルブランドとして投資家向けに報告しています。GSは時計愛好家だけで無く、ビジネス・コミットメントとしての一翼を担っているのです。

 

文字盤に凝縮される職人たちのクラフトマンシップ

実は私Goro、GSは決して好きな時計ではありませんでした。そんな僕が評価を一変させたのは2021年に発売された通称「白樺モデル」SLGH005を見てからでした。

それまで抱いていたGSの「オジさん」ぽい印象を一変させる芸術的な文字盤は、あたかも職人さんがひとつひとつ文字盤を手彫りした様な仕上げでした。しかしそれは完全な手作業の製品では無かったのです。

正確には金型から7つの工程を経て造られた一品で、工程の中で手作業を交えた、匠の技と叡智が結集して生み出した、「限りなくクラフトに近い工業製品」になります。

グランドセイコー SLGH005

※写真はグランドセイコーオフィシャルサイトから

 

雫石と信州という聖地

ブランドと呼ばれる製品には「聖地」が必要と言われます。ワインはその最たる物で、葡萄が収穫される畑を明記すると価値が高まるのです。これは腕時計も同じで、スイス時計でも名門ほど産地=Geneve(ジュネーブ)を文字盤に記します。

GSには機械式時計製品を担当する「雫石」クォーツとスプリング・ドライブ製品を担当する「信州」というふたつの聖地があります。

そのひとつ「グランドセイコースタジオ雫石」は、予約させすれば希望する人たちへ生産現場を全て見せるという、これまでの業界ではあり得ない試みを行っている工房です。スイスで同じ手法を採用しているのはIWCだけとGoroは記憶しています。

 

課題も多いがアグレッシブさを感じさせる時計造り

ここ数年のGSは海外からの評価も鰻登りで、「向かう所敵なし」の感があるのも事実です。特にアメリカで絶大な人気を誇っています。僕が見た、あるアメリカ人YouTuberも、質の高さでロレックス、オメガよりも「上質な時計」と強調していました。

その昔アメリカ人の時計嗜好は低価格中心で、スイス時計界からは「彼らには(時計への)教育が必要!」とまで言われていた時期もありました。しかし裏を返せば伝統ブランドへ固執しない、自由な考えを持った消費者が多いと言えます。

それはロレックスが確固たる地位を築く以前、まずアメリカとイタリアで受け入れられた時代と重なります。

GSは確かに有名になりましたが、スイス時計を凌駕しているかと言えば、そんな事はありません。デザインの専門家目線だと「基本ができていない」という意見を多く聞き、そこをじっくり他社と見比べてみれば確かにその意見には頷けます。

このあたりが今後の課題です。しかしデザインの基本はさておいても、あの独創的かつアグレッシブな文字盤製作は一見の価値がある仕上げだと僕は感じます。そして日本らしいと言われるGSデザインをどうこれからの製品に反映させるかも、重要でしょう。

 

グランドセイコーとオールデンの共通点は

さて、オールデンとGSの共通点はどこにあるかと言えば、僕は真摯な物造りに対する姿勢だと感じます。ただ彼らの造る時計はあくまでも実用時計、手作業だけに固執している訳ではありません。手作業がよりベターな箇所へ注力する姿勢を感じます。

その代表が歯車への手作業によるヤスリ掛けです。彼らのムーブメントは高振動ゆえ部品への負担が大きく、摩擦軽減が不可欠になります。そのためには、手作業の方が理にかなっているそうです。オールデンが手縫いにこだわる姿勢とどこか重なりますね。

その高振動(10振動)ムーブメントも、時計界の常識とは真逆です。近年は耐久性を考慮し、各社8〜6振動が主流です。一般的に振動数が多いほど機械式時計は精度が高くなると言われます。つまりGSは品質に自信があるから精度を選択したのです。

オールデンも表面的な良さだけでは無く、裏側に隠されたエッセンスが魅力と聞きます。GSも時計内部の奥底まで叡知を込めている気がします。ぜひオールデンとグランドセイコー、それぞれの奥底から聞こえる職人たちの魂の音を聞いてください。

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