早速ですが今回は、オールデンと合わせて必ず使っていただきたい「シューホーン」についてのお話となります。
シューホーンとは
まずシューホーンとは、いわゆる「靴べら」のことです。
シューホーンの役割は、足入れをスムーズにして靴の履き口を摩擦による痛みから守ることにあります。
ちなみに「シューホーン(Shoe Horn)」という名前から分かる通り、元々は動物の角を素材としていたようです。
丈夫で加工しやすく滑りが良いため、靴べらとして適した素材だったのでしょう。
現在主だって使用されている素材については、また後程詳しくご紹介することにして、早速本題に入りましょう。
オールデンを履く際にシューホーンを使うべき理由
さて、タイトルにもあるように、オールデンの革靴を履く際にはシューホーンの利用が不可欠です。
その理由は、先述通り「履き口を摩擦などのダメージから守るため」ですね。
特にコードバンはあまり伸びないので、足を入れる際にはシューホーンが必須です。
シューホーンを使わず無理に靴を履き続けることで、摩擦によってかかと内側の革が痛むだけでなく、かかと部分に入っている芯(カウンター)が変形してしまいます。
よくシューホーンが無い際に行う「履き口に指をいれて伸ばして履く」「立った状態で爪先をトントンと地面に打ち付ける」という行為は、いずれも靴を痛めるためご法度。
※Shine and Geekから一言
ジャケットに腕を通す姿、靴の履き方を観察して、育ちや品格を測る人が存在します。とてもジャッジメンタルで残念なことですが、そのような世界があることを知っておいても良いでしょう。
自身の靴は勿論、店頭などで試着する際にも絶対に気を付けたいポイントです。
シューホーンの正しい使い方
ここで、知っているようで実は間違っているかもしれない「シューホーンの正しい使い方」についてみてみましょう。
1. 足の爪先だけ靴にいれて、かかとは浮かせたままにする(紐靴であれば紐を緩めた方が良い)
2. シューホーンを履き口かかとの内側に当てる。
※この時、シューホーンは垂直に!また中敷きには当てずに少し浮かせる
3. 足のかかとをシューホーンで滑らせながら垂直に下ろす
4. 足と靴に挟まっているシューホーンを抜く
いかがだったでしょうか。特に※印で注意書きをした箇所について、これまで行っていた使い方と違うなという方も多いのではないでしょうか。
特に間違えがちなのが、シューホーンの角度です。
よくシューホーンを斜めに当てて、テコの原理のように足を押し込む方がいらっしゃいますが、これは実はよくある間違い。
靴のかかとが変形したり、シューホーンが折れてしまう原因となります。
シューホーンの必要性や、正しいシューホーンの使い方が分かったところで、次はシューホーンの種類や選び方についてみてみましょう。
シューホーンの種類と選び方
長さで選ぶ
まずはシューホーンの長さに着目してみましょう。
シューホーンには大きく分けて、ロングタイプとショートタイプの2種類があります。
明確な定義はないようですが、ロングタイプはだいたい40~80cmのものが多く、玄関先などで立って使用するのに適していますね。
対してショートタイプは小さいものだと10cm以下のものもあり、こちらは主に外出先での利用を想定しています。
それぞれ使用するシチュエーションが異なるので、ご自身の目的に合わせて選ぶと良いでしょう。
可能であれば両方1つずつは持っておいて、家を出る際にはロングタイプを使って履き、出先での脱ぎ履きに備えていつも内ポケットにショートタイプを忍ばせておきたいものです。
ロング・シューホーン
ロングタイプのシューホーンは立って使用するので、ご自身の身長や普段靴を履く体勢などから最適な長さのものを選べば良さそうです。
いつも玄関先に置いておくことになるので、インテリア性も重視したいですね。
最近はスタンド付きのおしゃれな物も多いですよ。
ショート・シューホーン
ショートタイプのシューホーンは持ち運ぶことが多いので、鞄やポケットにしまいやすいサイズのものが良いでしょう。
ただしあまり小さすぎると使いにくいと感じる方が多いようです。
そこそこの大きさのものを持ち運びしたいという場合は、折りたたみタイプや伸縮タイプという選択肢もありますよ。
素材の違いで選ぶ
シューホーンに使用されている素材は、先にご紹介したように元々は動物の角が大半だったそうです。
しかしその後、安価なセルロイド製に大部分がとって変わられ、更により加工しやすいプラスチックが使われるようになりました。
現在ではその他に、金属製や革製のシューホーンなども多く見られますね。
これらの素材に共通する特徴としては、滑りが良い、という点です。
摩擦を抑えてかかとを靴に滑り入れるための道具なので、どの素材のものも滑りやすさが命、というわけですね。
いずれの素材のシューホーンも一定の品質以上のものであれば問題なく使用できるかと思いますが、せっかくなので簡単にそれぞれの特徴をまとめておきましょう。
金属(ステンレスやアルミ等)
・耐久性に秀でる
・見た目に高級感がある
・他の素材より滑りが良い
・硬いため、正しく使用しないと靴を痛める可能性がある
革
・使う度に手に馴染む
・見た目に上質感がある
・金属よりも靴を痛めにくい
・使い込むことで裁縫のほつれなどが起こりやすい
プラスチック
・他素材よりも安価
・適度に滑りやすく柔らかいので、誰でも比較的使いやすい
・強度が低いので割れる恐れがある
番外編
自宅以外で突然靴を脱ぐことになった場合は、財布に入っているカードなどを使いクールに立ち回りましょう。トランプですら代用できます。
オールデン純正シューホーンのご紹介
最後に、オールデンの純正シューホーンをご紹介しておきましょう。
純正シューホーンは、オールデンファンであればもちろんご存じの「ラコタハウス」などで取り扱っています。
素材は軽いプラスチック製でショートタイプ(18cm)なので持ち運びにも便利ですし、座って靴を履く方であれば玄関用にしても良さそうですね。
コーポレートカラーである深いグリーンにゴールドのロゴがファン心をくすぐります。
価格は1,430円(通販価格)とお手頃なので、1本持っておいても損はないでしょう。
またUSAなどの海外では、金属製の純正シューホーンも販売されているようです。
国内でも通販サイト等で入手できるので、合わせて検討してみてはいかがでしょう。
より希少性を求めるのであれば、ホーウィン社コードバン製のキーホルダーもおすすめです。
こちらはシューホーンとしても使用できるレザーキーホルダーなのですが、生産数も多くないようで、国内ではなかなか在庫を見つけることが出来ません。
もしどこかで出会いがあれば入手してみるのも良いかもしれませんね。
まとめ
今回は、オールデンを履く際に必ず使いたい「シューホーン」のお話でした。
革靴が主流の欧米では、ご存知のように屋内に入る際に靴を脱ぎ履きする文化がありません。
そのためきちんと靴紐をほどいてから足を入れ、足に合わせてしっかりと結んで履き、そのまま終日を過ごします。
一方で、日本では一日に何度も靴を脱ぎ履きするので、正しい履き方をしなければすぐに靴の履き口が痛んでしまいます。
シューホーンを正しく使って、外出先や店頭でもスマートにオールデンを履きたいですね。
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