こんにちは!うりちきです。
新年度が始まって2ヶ月が経ち、皆様の新生活も落ち着いてこられたのではないでしょうか?この辺りで新しい趣味を見つけたり、身の回りのものを一新するという方も多いでしょう。
そこで今回から、最近革靴に興味を持ち始めた方へ向けて、『オールデン初心者向け』と題して情報をお伝えしていこうと思います。
この記事では、まずオールデンのサイズ感やラストの特徴、初心者におすすめのモデルを紹介していきます。
更に記事の後半では、革靴の履き心地に関わる要素やオールデン特有の履き心地の特徴、適切なフィット感の見極め方を解説します。
これらの情報を参考に、あなたにぴったりのオールデンを見つけてみてください!
1. サイズ選びの基本:英国サイズとアメリカサイズ
靴を快適に、格好良く、そして長く履くためには、サイズ選びは非常に重要です。
そこで、最近オールデンに興味を持ったばかりの方に向けて、オールデンのサイズ選びの基本をご紹介しましょう。
まず、オールデンのサイズ表記はアメリカサイズ(US:単位はinch)で表示されています。
これは、ご存知オールデンがアメリカのブランドであるためですね。
例として、アメリカサイズの8inchは日本サイズの約26cmに相当します。
アメリカサイズは、同じinch表記である英国サイズ(UK)と比較して、おおよそ0.5サイズ大きいとされています。
例えば、英国サイズで8の場合、アメリカサイズでは8.5に相当します。
既に英国サイズの革靴をお持ちの方はこの点にも少しご注意ください。
また、オールデンの靴を履く際には、普段履いているスニーカーのサイズとは異なることが多いので注意が必要です。
一般的に、オールデンの靴はスニーカーサイズよりも0.5から1サイズ小さめを選ぶ方が多いようです。ただし、これはあくまで一般的な傾向であり、個人差があるため絶対ではありません。
そこで、オールデンの靴を選ぶ際には、まず通常のスニーカーサイズを基準に、0.5から1サイズ小さめの靴を試し履きしてみましょう。
そして、足に適したサイズ感を見極めるため、次回記事で詳しく説明するフィッティングのポイントを押さえながら選んでみてくださいね。
次の段落では、オールデン独特のラストとその特徴について解説します。
ラストによって形状やサイズ感がかなり異なるので、足にあった靴を選ぶ参考にしてみてください。
2. オールデン独特のラスト(木型)とその特徴
オールデンの靴の魅力の一つは、独特のラスト(木型)にあります。
ラストとは使用されている木型のことで、これが靴の形状やフィット感を決定します。
オールデンは、さまざまなラストを使用しており、それぞれ独自の特徴とサイズ感があります。下記に、オールデンの主要なラストをいくつか紹介してみましょう。
バリーラスト(Barrie Last)
オールデンで最もポピュラーなラストの一つで、甲高が高く、つま先部分がやや丸みを帯びたデザインです。
サイズ感は大きめなので、普段のスニーカーサイズから1サイズ小さめを選ぶことが一般的となります。
代表モデル:990, 975, 1339
トゥルーバランスラスト(Truebalance Last)
足の自然な形状に近いデザインで、幅広で快適なフィット感が特徴です。
こちらもバリーラスト同様、普段のスニーカーサイズから1サイズ小さめを選ぶことが多いですね。
代表モデル:405(インディブーツ)
アバディーンラスト(Aberdeen Last)
細身でエレガントなデザインが特徴で、ドレスシューズによく使用されます。
細身のためこちらはサイズ感がやや小さめなので、普段のスニーカーサイズから0.5サイズ小さめか同じサイズを選ぶことが一般的です。
代表モデル:2210, 2160, 664(タッセルローファー)
モディファイドラスト(Modified Last)
オールデンの前身である矯正用靴から生まれ、オールデンを代表するラストでもあります。
大きくえぐられるように絞られた土踏まず部分と、ゆとりあるトゥ部分が特徴的で、ハイアーチの方に特に適しているラストです。
幅広なので、バリーラストと同様に、普段のスニーカーサイズから1サイズ小さめを選ぶことが一般的です。
代表モデル:54321
他にも、ローファー向けの『バンラスト』や、『レイドンラスト』など、オールデンでは現行で12~13くらいのラストが用いられているようです。
オールデンの靴を選ぶ際には、このようなラストの特徴を理解し、自分の足に合ったラストを選ぶことが重要です。
また、同じラストでもモデルによってサイズ感が異なることがあるため、必ず試し履きをして確認しましょう。
それでは続けて次の段落では、オールデン初心者におすすめのラストとモデルについてご紹介します。
3. オールデン初心者におすすめのラストとモデル
本段落ではオールデン初心者におすすめのラストとモデルをご紹介します。
以前に「ファーストオールデンには○○を選べ!」の記事でも解説した定番モデルを、ラストに着目して簡単にまとめたので、これから一足目のオールデンを購入する際は是非参考にしてみてください。
いずれもオールデンの魅力を十分に堪能できるものばかりです。
それぞれのモデルについてより詳しく知りたい方は、下記の記事も参考にしてみてください。
990 / 9901(バリーラスト)
オールデンのアイコン的存在である990シリーズは、バリーラストを使用したプレーントゥシューズです。
両者の違いは色にあり、990は人気色のダークバーガンディー、9901はよりフォーマルな印象のブラックコードバンとなります。
定番中の定番、オールデンを代表するモデルなので、初心者には特におすすめできるモデルです。
975 / 9751(バリーラスト)
シェルコードバンを使ったロングウィングチップのモデルで、こちらもバリーラストを使用しています。
エレガントなデザインが魅力で、遊び心もあるので、ビジネスシーンからカジュアルまで幅広く活躍することでしょう。
54321(モディファイドラスト)
オールデンの独特なラストであるモディファイドラストを使用した、シェルコードバンのVチップシューズです。
幅広&アーチサポートにより足にフィットする独特の形状が特徴で、抜群の履き心地の良さが魅力です。
1339 / 1340(バリーラスト)
ブーツをお探しの方であれば、こちらはシェルコードバンを使ったチャッカブーツで、バリーラストを使用しています。
シンプルで上品なデザインが特徴で、カジュアルシーンにおいて非常に人気があるモデルです。
これからオールデンにハマるという方であれば、やはり最初は定番のバリーラストが手に取りやすいでしょう。
また履き心地最重視であれば、モディファイドラストもオールデンらしさがあって良いですね。
これらのモデルを筆頭に色々試し履きしてみて、自分に最適な1足を見つけましょう。
4. 革靴の履き心地に関わる要素
「試し履きをしても正直ピンとこない」「自分の足にあった一足ってどうやって見つければ良いの…?」という方のために、ここで一度一般的な話に立ち戻って、『革靴の履き心地を左右する要素』についてみてみましょう。
革靴の履き心地には、サイズ以外にもいくつかの要素が影響を与えるので、それらを理解することで自分に適した革靴をより見つけやすくなるでしょう。
以下に、革靴の履き心地に関わる主要な要素を説明します。
1. アッパー素材
アッパー素材とは、足の甲を覆う部分の素材のことですが、見た目だけでなく革靴の履き心地にも大きく影響を与えます。
『革』と一口に言っても、素材によって伸縮性や通気性がかなり異なるため、自分の足や用途に合ったものを選ぶことが重要です。
オールデンでは、主に『カーフレザー(牛革)』や『シェルコードバン(馬革)』などの高品質な革が使用されていますね。
例えばこの2種類を履き心地という点において比較すると、
カーフレザー:最初から柔らかいので早く足に馴染みやすい。
シェルコードバン:最初は非常に硬いので時間をかけて慣らしていく必要がある
といった違いがあります。
この『カーフレザー』か『シェルコードバン』か問題は、オールデンの靴選びにおいて非常に重要かつ、ファンの間でもかなり意見が分かれるところなので、後ほどもう少し詳しく解説してみましょう。
2. ソール
ソールは、歩行時のクッション性や滑りにくさを左右します。
デザインももちろん重視したい点ですが、歩行時の快適さや耐久性も考慮して、適切なソールを選ぶことが大切です。
オールデンでは、『シングルレザーソール』や『ダブルレザーソール』などが多く使用されており、それぞれ異なる特徴があります。
一般に、シングルの方が薄い分、足馴染みや柔軟性に優れ、一方ダブルは厚みがある分少し馴染みにくくて重いですが、耐久性や耐水性に優れるといわれます。
またオールデンの基本はレザーソールですが、それ以外の素材のモデルも存在します。
例えば、合成ゴム製アウトソールである『コマンドソール』モデル(86968HC, 44508HC等)は、デザイン・機能性共に高い評価を受けているモデルです。
ラバーソールの中でも特に分厚いため、人によっては慣れるのに少し時間がかかりますが、抜群のグリップ力で起伏のある道や悪天候下も快適に歩くことができますよ。
『コマンドソール』についてより詳しく知りたい方は、下記の記事も参考にしてみてください。
3. ラスト
上で述べた通り、オールデンではさまざまなラストが使用されています。
ラストは、革靴の形状やサイズ感を決定づける要素であり、足にフィットするラストを選ぶことが履き心地に直結します。
ソール等と違って、後から変更ができない箇所なので、試着時点でしっかりと見極めたいポイントですね。
オールデンの場合、やはり基本である『バリーラスト』から試してみて、幅が窮屈なようであればより幅広の『トゥルーバランスラスト』に、反対に細身の方が良いのであれば『アバーディンラスト』などを履いてみると良いかもしれません。
これらの要素を踏まえた上でフィッティングを行うことで、自分の足に合った革靴をより選びやすくなると思います。
お店の人の意見も参考にしつつ、快適な履き心地を実現する一足を探してみてください。
5. オールデンを履くなら、コードバンかカーフレザーか
さて先ほども軽く触れた『オールデンの革靴はコードバンかカーフレザーか』問題です。
好みによると言ってしまえばそれまでですが、下記に少し特徴を比較してみましょう。
オールデンの代名詞ともいえる「コードバン(シェルコードバン)」は、数ある革の中でも最高級とも評され、きめ細かな美しい艶と堅牢性が魅力です。
一方で前述したように、「カーフレザー(牛の革)」よりも足になじむのに時間がかかる革だとも言われます。
まず、革靴初心者であればあまり馴染みのない『コードバン』の情報と履き心地について簡単にまとめてみましょう。
そもそもコードバンとは、馬のお尻部分から採取される高級な革で、非常に丈夫で滑らかな質感が特徴です。
馬一頭から約一足分しか取れないという希少性や、仕上がりのきめ細かな美しさから、『革のダイヤモンド』とも称されます。
また、オールデンに使用されている『シェルコードバン』は、コードバンの中でも特に『オイル仕上げ』を施されたものを指します。
オイル独特の艶やかな光沢感と耐久性、手に持った時にしっとりと馴染む柔らかさが魅力ですね。
シェルコードバンは、通常のコードバンに比べると丈夫ですが、水や汗汚れには弱いので注意が必要です。
※オールデンに使用されているコードバンは、このオイル仕上げのコードバンで、特に老舗タンナー『ホーウィン社』製のシェルコードバンとなります。
コードバンの素材の特性として、密度が高く、弾力性があるため、しっかりと足に馴染めば履き心地は柔らかく快適です。
同じ快適であっても、カーフが柔らかく伸びて足に馴染むのと違い、コードバンの履き心地は『形状記憶に優れている』といった表現をされるようです。
つまり、伸びた箇所が元に戻ろうとすることで、まるで『足に吸い付く』ような独特の履き心地の良さがあります。
その一方で、カーフよりもかなり硬い革なので、特に履きはじめはなかなか足に慣れず、『靴ずれが酷い』からと避ける愛好者も一定数いるようです。
他方で、革靴の素材として一般的な『カーフ(牛革)』の魅力は履きやすさでしょう。
前述したように、コードバンよりずっと柔らかい革なので、カーフ素材の革靴はサイズ感が間違っていなければ履きはじめから足に馴染んでくれます。
もしフィッテイングする機会があれば両方試してみると違いが分かりやすいかと思いますが、特に柔らかいフィット感がお好みの方にはカーフが適しているかもしれません。
コードバンほどは、水や汗に弱くない、というのも気軽に使いやすい点ですね。
オールデンの靴といえばやはりコードバンという方も多いでしょう。
コードバンの靴は独特の履き心地を楽しめますが、履き始めは硬く感じたり、汗や水に弱いといった取り扱いの難しさもあります。
一方で、コードバンを使用したオールデンの靴は、経年変化を楽しみながら、長年愛用できるのが魅力です。
これからオールデンの一足目を手に取るという方は、これらの素材の特徴も押さえた上で、自分に合った1足を見つけてください。
6. 革靴の適切なフィット感の見極め方
ここまで、快適な履き心地の一足を見つけるための、革靴の基本情報をまとめてきました。
最後に、実際にフィッテイングをする際のポイントを、本項と次の項で紹介して終わりにします。
革靴を履く際には適切なフィット感が重要ですが、例えば以下のようなポイントをチェックしてみてください。
1. つま先の余裕
適切な革靴では、つま先に少し余裕があることが望ましいです。
立った状態で、親指の先に約1cm程度の余裕があることを目安にしましょう。
ただし、あまりにも余裕が多すぎる=靴が大きすぎると、歩行時に足が『前滑り』や『横揺れ』をするなど不安定になります。
足への負担は勿論のこと、革靴へのダメージも大きくなるので、靴を長く履くためにも足にあったサイズを選ぶことは重要です。
2. かかとのフィット感
革靴を履いた際に、かかとがぴったりとフィットしていることも大切です。
かかとが浮いてしまうと、靴擦れしたり靴が脱げやすくなるため、靴を試し履きする際は、歩行時にかかとがしっかりと靴に固定されているか確認しましょう。
3. 足囲(Width ウィズ)の適切さ
革靴を履いた際、足囲(足の甲周り)が締め付けられすぎず、ゆるすぎないことが大切です。
足囲が締め付けられると、血行が悪くなり、足の疲れや痛みが生じる原因となります。
逆に、足囲がゆるすぎると、靴が不安定になり、歩行時にバランスを崩しやすくなります。
適切な足囲は、足をスムーズに動かせる程度のゆとりがあることを目安にしましょう。
※A Shine And Geekから一言
オールデンの靴ではインチ表記されているサイズの他に、アルファベットで表記されたWidthと呼ばれる尺度があります。C → D → E → EEというふうに右に行くにつれて足囲が大きくなります。日本においての流通量は圧倒的にDが多いですが、サイズと同様大きくフィット感に影響するので少しずつ勉強していきましょう。オールデンの靴に慣れてくると、「バリーラストであれば、サイズがこのインチの場合、ウィズはEだな」とか「アバディーンラストの靴でDウィズであればハーフインチ上がフィットする」などとそれぞれのラストにおける自分なりの正解や許容度が分かるようになります。
これらのポイントを押さえ、適切なフィット感を見極めることで、快適な履き心地を実現し、革靴を長持ちさせることができます。オールデン初心者の方は、これらのポイントを意識して、自分に合った1足を見つけてください。
7. オールデンでのフィッティングのポイント
最後に、本記事のまとめともなりますが、オールデン初心者に向けた『オールデンでのフィッティングにおいて注意すべきポイント』をいくつかご紹介します。
これらのポイントを押さえることで、自分に合ったオールデンの靴を見つけやすくなるかと思いますので、是非参考にしてみてください。
1. ラストの違いを理解する
オールデンにはさまざまなラストが存在し、それぞれ異なる形状やサイズ感があります。
フィッティング時には、それぞれのラストの特徴を理解し、自分の足に合ったラストを選ぶことが重要です。
2. 素材の特性を考慮する
オールデンでは、シェルコードバンという独特の素材が使用されています。
コードバンの革靴は通常のカーフの革靴とは異なる履き心地や伸縮性がありますので、フィッティング時には素材の特性を考慮してください。
3. 靴のソールに注目する
オールデンでは、ダブルレザーソールやクレープソール、コマンドソールなど様々なソールが使用されています。
ソールの厚みや柔軟性が履き心地に影響を与えるため、フィッティング時にはソールの特性も確認しましょう。
4. 店舗でのフィッティングを利用する
オールデン初心者の方は、可能であればオールデン取り扱い店舗でのフィッティングを利用することをおすすめします。
店舗スタッフのアドバイスを受けながら、自分に適したサイズやラスト、素材を選ぶことができます。
5. 試着時の靴下を考慮する
フィッティングに素足で行かれる方はいないかと思いますが、オールデンを履く際に使用する靴下の厚さや素材もフィット感に大きな影響を与えます。
試着時には、普段着用する靴下と同じものを履いて、適切なフィット感を確認しましょう。
これらのポイントを意識することで、オールデン初心者でも自分に合った快適な1足を見つけやすいかと思います。
『憧れのオールデンが思っていたのと違う』とならないように、是非フィッティングを大切にしてみてください。
なお、革靴のフィッティングの際には『シューホーン(靴べら)』の使用は必須となりますので、どうぞお気をつけてくださいね。
最後までお読み頂きありがとうございました。
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