こんにちは、うりちきです。
冬の訪れと共にファッションや足元も変化の季節を迎えていますね。
革靴愛用者にとって、冬は靴のケアに特に注意を払うべき時期です。
今回は、『オールデンの冬季ケア』として、乾燥や雪、融雪剤、路面凍結など、冬特有の問題への対処方法をご紹介します。
冬の環境と革靴への影響
乾燥
冬の乾いた空気は、皮膚の乾燥の原因となりますが、革靴にとっても大敵です。革は湿度の変化に敏感で、特に乾燥する冬季は革が硬くなり、ひび割れのリスクが高まります。
特に、オールデンのコードバン靴は、乾燥してくると輝きがなくなり、白くガサついてきます。これは乾燥によって、寝かしつけた毛足が毛羽立ってしまっていることが原因です。
コードバンの大きな魅力の一つである艶を保つためにも、定期的な保湿ケアは非常に重要です。
雪
雪が降ったり積ったりする地域の方は、革靴の取り扱いには特に注意が必要です。
冬の雪や凍結した路面では、言わずもがなですが、革靴による歩行はよく滑ります。レザーソールであれば尚更ですね。
加えて、革靴が雪や水で濡れると、シミの原因となり、放置すればカビの発生につながる可能性があります。
またうっかりしやすいところでは、融雪剤にも要注意です。融雪剤の主な成分は塩化ナトリウム(食塩)や塩化カルシウム、つまり塩分であり、これらは革に白いシミを残し、硬化やひび割れの原因となります。
コードバン特有の冬の問題点
水染み・水膨れ
特にコードバンは雨の日に履いてはいけないとされていますが、その理由は「水染み」や「水膨れ」です。既にご存知かとは思いますが、コードバンは特に水に弱く、内部まで水を吸収しやすい性質があります。これにより、水膨れや水染みが発生し、せっかくの見た目にも影響を与えます。
オールデンのシェルコードバンは、オイル仕上げなので多少の耐久性はありますが、乾燥により油分が抜けると、水への耐性がさらに低下します。
つまり、空気が乾燥し、同時に雪が存在する冬は、コードバンの耐水問題が特に顕著になるというわけですね。
定期的な保湿ケアは、革が水を吸収するのを防ぐのに役立ちますが、何よりも水への接触を極力避けることが重要です。
ブルーミング(ブルーム)
コードバンに時折みられる冬トラブルとして「ブルーミング(ブルーム)」があります。
これは、革に含まれるオイルや脂が寒冷な環境で固まり、表面に白く浮き出る現象です。身近なところでは真冬にチョコレートが白くなるのと同じ現象ですね。
ブルーミングは、革が過剰なオイルを放出しようとする自然な反応なのですが、特に温度差が大きい環境で顕著になります。
ブルーミング自体は革にとって深刻な問題ではありませんが、見た目を損ねたり、また長く放置すると油分で革が硬くなったり、ひび割れの原因ともなります。
定期的にチェックして、保湿ケアやブラッシングを行い、革の状態をキープしたいですね。
冬の対策・ケア方法
乾燥対策
冬の乾燥対策としては、定期的なケアや保湿が重要です。適切な革用クリームやオイルを使用し、革の柔軟性・耐久性を保つことで、雪汚れへの対策にもなるでしょう。
乾燥に対するケアは、秋の対策・ケアの記事でも紹介しているので参考にしてみてください。
ただし記事内でも指摘があったように、革靴、特にコードバンのケアは個人の趣味やこだわりによって様々です。
下記に、一般的な革靴のお手入れの一例を挙げておきましょう。
- ブラシ(馬毛)でホコリや砂などを落とす
- クリーナーで汚れや古いクリームを落とす
- クリームで栄養補給、ブラシ(豚毛)や指で塗り込む
- ワックスで艶出し
コードバンの場合は、コードバン専用のクリームを使用しましょう。
この時期のケアで特に気をつけたい点としては、既に革が乾燥してしまっている場合、クリーナーやクリームを吸い込み過ぎてしまい、シミになってしまうことがあります。
まずはサイドの目立たない部分から塗り始めたり、シミになりにくい油分の少ないクリーナーやクリームを使用したり、またコンディションが特に不安な場合にはプロに相談するのも一つの手でしょう。
革の乾燥に対するケアアイテムとして、M.MOWBRAY(エムモゥブレィ)の「デリケートクリーム」があります。このクリームは水分含有量が多く、革製品全般の保湿ケアとして使用できます。
コードバンにも使用できますが、染みを防ぐために、『塗り過ぎない』『塗布前後のブラッシングで均一に』という点に注意しましょう。
雪や融雪剤からの保護
雪や融雪剤による革靴のダメージを防ぐためには、靴が濡れたらすぐに水分を拭き取ることが重要です。特に、融雪剤がついた場合は、革が塩分を吸収してしまう前にしっかりと拭き落とす必要があります。
帰宅後は靴をよく乾かし、さらに普段から手入れをして撥水性を保つことも大切です。
また場合によっては、シューズカバー(オーバーシューズ)の使用も効果的です。このアイテムは秋の長雨対策の際にも紹介したように、靴全体を覆うことで、水や塩分から靴を守ってくれます。装着するともはや革靴の見た目ではなくなってしまうため賛否両論ありますが、空模様が怪しい時にはカバンに忍ばせておくと安心感があります。ゴム製のものが多いのでグリップ力も高く、後述する「滑り対策」にも有効でしょう。
冬の滑りやすさへの対策
冬の雪道は、水や塩分で革がダメージを受けるだけでなく、非常に滑りやすいので革靴愛好家としては天敵です。特にレザーソールであれば、まともに歩くことすら至難の技でしょう。
これに対処する一つの方法として、アウトソールの交換があります。
例えばコマンドソールのような、よりグリップ力の高いソールに交換することで、滑りにくく安全な歩行を実現できるでしょう。
また、ハーフラバーの装着も一定効果があります。
ハーフラバーは靴底に追加する薄いゴム製の層で、靴底の摩耗を防ぐ効果があり、滑り止めの役割も果たします。
これらの点については、以前にご紹介したコマンドソールに関する記事やハーフラバーに関する記事で詳しく触れていますので、ぜひご参照ください。
また、雪国&ラバーソール交換といえば、以前にご紹介した「ASHIDO HOKKAIDO」さんというリペアショップを覚えていらっしゃるでしょうか。
こちらは有名シューシャイナーの佐藤我久さんと、靴修理職人の北村航さんの ”どさんこコンビ” が立ち上げた『雪国のための靴修理&靴磨き店』です。
雪の多い北海道でもドレスシューズを楽しめるようにと、雪国用ラバーソールに特化したリペアショップなので、『雪道でもオールデンを諦めたくない』という方は是非一度ご相談に伺ってみてはいかがでしょうか。
オールデンを修理するなら~凄腕の靴リペアショップシリーズ~《ASHIDO HOKKAIDO》北海道
ブルーミングへのケア
オールデンのコードバンにブルーミングがあらわれた場合、馬毛ブラシで優しくブラッシングして落としましょう。もし出先などで気がついてブラシが手元にない場合は、柔らかい布で乾拭きしても落とせます。
ブラッシングだけで綺麗に落としきれない場合は、乳化性のクリームをほんの少し塗り込むと綺麗になることが多いようです。
どうやっても白い汚れが落ちない場合、残念ながらブルーミングではなくカビの可能性があります。靴用カビクリーナーを活用したり、信頼できるリペアショップのプロに任せましょう。
前述したようにブルーミング自体は悪いものではありませんが、見た目に大きな影響を与えますし、放置すると革を痛める可能性もあります。特に寒い地域にお住まいの方は、これからの冷え込む時期、履く前にチェックしてこまめにケアしてあげてください。
冬のケア用品の取り扱い
冬の低温環境では、ワックスやクリームが固まりやすくなります。そのままでは硬くて塗りにくいという場合には、室温で適度に温めてから使用すると良いでしょう。
また外気と室温で温度差がありすぎる場合に、急激な温度変化によって結露が起こったり、ワックスが固まってムラになってしまったりすることがあります。特に冷え込みの厳しい地域では、作業環境にも気を使うのが良さそうですね。
まとめ
今回の記事では、オールデン冬のケアと題して、これからの時期に起こりがちなトラブルとケアの方法についてご紹介しました。
冬は空気の乾燥や雪だけでなく、融雪剤や路面凍結など、様々な要因が革靴の美しさと機能性に影響を及ぼします。
寒さが本格化する前の今、あらかじめこれらに備えて適切なケア・対策を行うことで、愛用のオールデンの魅力を長く保つことができるでしょう。
この記事が、あなたがオールデンと冬を楽しむための一助となれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました!
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