こんにちは、うりちきです。
早速ですが今回は《オールデンのメンテナンス》シリーズ第二弾として、「インソール交換」について考えてみましょう。
※A Shine And Geekからの補足
オールデンの靴において、ここで言う「インソール」や「中敷き」「インナーソール」は存在しないため、本記事は他の一般的な靴について書かれたものとしてお読みください。
革靴のインソールとは
まず「インソール」とは、靴の中底の上に挿入されたパーツのことで、「中敷き」とも呼ばれます。
靴を履いた時に、直接足の裏に当たる部分のことですね。
インソールは、足裏のクッション性を高めて履き心地や歩き心地を向上させたり、靴のサイズを微調整する目的でも使用されます。
特にサイズの合わない靴を履いて歩くことは、姿勢の歪みや怪我にも繋がりやすく、近年では体幹の安定や怪我予防の観点でインソールを選ぶ方も多いです。
またインソールには吸汗の効果もあり、湿度を下げて靴内部の環境を快適にしたり、靴自体の損傷を抑えるといった目的もあります。
注釈:本来は革靴の「インソール」とは、靴の「中底」を指すともいわれます。中底とは靴底のうち足裏に接する側で、革靴の場合はアッパーやウェルトなどと縫い付けられるパーツです。
しかし日本ではインソールというと中敷きを指すことが一般的なので、今回は「インソール=中敷きのこと」として扱います。
ちなみに、厳密に区別したい場合は、中敷きのことは「インナーソール」と呼ぶのが正しそうです。
インソールを交換するメリット
先に述べたように革靴のインソールには実は様々な効果があります。
つまり、インソールを交換するメリットはそれらの効果を復活・最大化することにあります。
下記にいくつか例を挙げてみましょう。
履き心地の改善
靴のインソールを「履き心地・歩き心地の向上」という目的で活用している方は多いでしょう。
インソールは消耗品のため、長期間使用しているとすり減ったり変形したり、クッション性・サポート性が失われていってしまいます。
靴のクッション性が悪くなった、歩き心地が悪くなった、歩いていて足が痛い、と感じる場合には、インソールを交換することで大きく改善するかもしれません。
革靴の保護
革靴のインソールは、靴を履く人だけでなく、革靴自体を保護する役割も持っています。
靴内部の構造を偏った負荷や摩擦から守ったり、湿気っぽくなることを防いだりする効果もあります。
そのためインソールの交換は、革靴の保護という観点からも重要です。
革靴の寿命をのばす
インソールには安定した歩行をサポートしたり革靴を保護する役割があります。
逆を返すと、状態の悪いインソールを使い続けることで、「革靴に偏った荷重がかかり続ける」「革靴の中で菌が繁殖しやすくなる」など、革靴にとって非常に良くない環境となってしまいます。
足にあったインソールを、きちんと定期的に交換することは、愛靴の寿命をのばすことにも繋がるというわけですね。
見た目を良くする
インソールは足に直接触れるパーツなので、どうしても汗や皮脂、靴内部の湿気によって汚れやすく、変色したり形が崩れてしまうことがあります。
その場合はインソールを交換することで、新品同様の美しさを取り戻すことができます。
革靴のインソール交換時期
さてここまで、インソールを定期的に交換することが大切だとお伝えしましたが、「インソールの寿命」とはどのくらいなのでしょうか。
一般には、インソールの寿命は「約1年」といわれています。
しかしこれは、歩き方や使うシチュエーション等によって大きく異なるので、いくつか交換の目安をご紹介しておきましょう。
インソール裏面に割れが出てきた時
純正の中敷きの上に、別のインソールを1枚さし込んで使用している方は、そのインソールを一度抜いてみてください。
裏返してみて、インソール裏側に「割れ」などの損傷がある場合は、そろそろ交換時期です。
特に”土踏まず付近”や”指の付け根辺り”に割れが起こりやすいので、重点的にチェックしてください。
全体的に反ってきた時
また取り出したインソールを平らなところに置いてみてください。
新品のものと見比べると分かりやすいのですが、寿命を迎えたインソールは爪先側が高く浮き上がってきます。
このような「反り」が出たインソールも、そろそろ新しいものに交換しましょう。
クッション性が失われてきた時
靴底にしっかりと貼り付けられている純正インソールなどは、クッション性を確かめてみてください。
インソールは長期間使用すると、特に爪先側のクッション素材がヘタってきます。
これも取り出して新品と並べてみると分かりやすいのですが、交換時期のインソールは厚さが半分~三分の一程度になっていると思います。
歩き心地にもかなり影響してくるので、比較的気が付きやすい交換タイミングですね。
インソールに足の型がつき始めた時
これも同じくヘタりによるものなのですが、長く使用したインソールには、足の指の形や親指付け根部分の凹みなど足型がつき始めます。
このまま使い続けると場合によっては穴が開いてしまうこともあるので、その前に新しいものに交換するようにしましょう。
臭いや汚れが気になる時
インソールには吸汗性がありますが、汗や雨で濡れた場合、乾燥する前にカビや菌が繁殖してしまうことがあります。
更に、時間が経つとインソール自体が臭うようになる場合もあります。
このような場合はインソールを洗浄したり消臭剤を使用するのも手ですが、インソール交換を早めた方が良いかもしれません。
ロゴが擦り切れてきた時
またオールデンの純正インソールには、かかと部分に格好良いロゴが印字されていますが、長く使用することで汚れたり擦り切れたようになってしまいますね。
履いていると見えない箇所ではありますが、人前で靴を脱ぐことのある方は少しこだわりたい箇所です。
機能性ではなく美観からの交換となりますが、このような場合には後述する「ラコタハウスでのヒールパッド交換」も検討してみてはいかがでしょう。
インソール交換の方法
次にインソールの交換方法です。
市販の追加インソールを使用している場合は交換が簡単ですが、純正インソールのように接着剤を使用したインソールについても自身での交換は可能です。
追加でさし込むタイプのインソール交換
市販のさし込むタイプのインソールを使用している方は、ヘタってきたインソールを抜いて新しい物をさし込むだけなので簡単ですね。
この場合もきちんと足と靴のサイズに合わせてカットし、ずれないように取り付けることが重要です。
少し大きめにカットしてから徐々に調整していくのが良いでしょう。
また、前回使用していたインソールと重ねてサイズをマーキングするとより簡単です。
接着剤を使用したインソール交換
接着剤で固定されているインソールを交換する場合は、まずこの接着剤を剥がす工程が必要となります。
具体的にはドライヤーをあてて、熱で接着力を弱めていく方法が一般的なようです。
無理に剥がそうとすると靴が傷ついてしまうので絶対にNG、また接着剤跡が残った場合は、新しい物を貼り直す前に綺麗に取り除きましょう。
古いインソールを取り除いたら新しいものを取り付けます。
接着剤を使用する場合は靴とインソールの両側に塗りますが、それぞれ2回に分けて塗ると失敗が少ないようです。
1回目は薄く塗って乾かし、2回目に厚く塗った接着剤でインソールを靴に取り付けます。
接着剤で取り付けたインソールは、しっかりと数時間以上かけて完全に乾かしてから使用するようにしましょう。
リペアショップにお願いする
接着剤を用いたインソール交換も意外と簡単そうに思えますが、靴を汚したり痛めたりするリスクを考えると、信頼できるリペアショップに相談する方が確実かもしれません。
本サイトで過去にご紹介した『凄腕リペアショップ』でも、インソールの交換・制作に対応していただけるお店は多いので、宜しければ参考にしてみてください。
(参考)オールデンを修理する方法には選択肢が三つある 凄腕リペアショップのリスト
特に、岡山県倉敷市にある「いずみ靴店」さんは、歩き方と健康のためにインソールを重視するリペアショップです。
こちらでは国家資格をもった足の専門家が、一人一人にあったオーダーインソールの作成を行っているので、気になる方は是非一度相談してみてはいかがでしょう。
(参考)オールデンを修理するなら~凄腕の靴リペアショップシリーズ~《いずみ靴店》岡山倉敷
また、「インソール交換はしたいけれどAldenのロゴは残したい」という方は、オールデンの日本での総代理店であるラコタハウスに依頼すると良いでしょう。
純正部品を多数保有するラコタハウスでは、オールデン純正のヒールパッドも取り扱っています。
ロゴ部分の汚れや擦り切れが気になってきた、という場合のインソール交換にも活用できそうですね。
ただし!「オールデン54650」のような限定インソールの場合は、折角の限定デザインが通常デザインのインソールとなってしまうので十分気をつけてください。
(参考)オールデン社 125周年を記念して作られたVチップ 54650
まとめ
今回はインソール交換のメリットや交換時期についてお話しさせていただきました。
靴のインソールは、靴の履き心地や足の健康にとって非常に重要な要素です。
それだけでなく、適切なインソールを使用することで、愛靴の寿命も延ばすことができます。
インソールの交換は自分で行うこともできますが、破損や損傷のリスクも伴います。
信頼できるリペアショップに相談することで、確実かつ安心して交換できるので、是非一度相談してみてはいかがでしょうか。
【ご支援のお願い】
「オールデンのコードバンが大好き by A Shine And Geek」にご訪問いただきありがとうございます。このサイトは快適なユーザー環境を実現するために広告収入を得ていません。広告を表示することなく運営し続けるために、皆様のご支援をお願いします。私たちの記事に価値を感じていただけましたら、質の高い記事を提供し続けるために以下のイーサリアムアドレスへの寄付をご検討ください。
ashineandgeek.eth