オールデンのコードバンが大好き by A shine and geek では、新たにモデル検索機能をリリースしました。オールデンの靴を調べる際にご活用ください。
こんにちは。オールデン研究家のSumireです。今回はオールデンのコードバンモンクストラップ「954」と「1655」の魅力に迫ります。
日本ではラコタハウスのラインナップとしてモンクストラップ「1878」「1879」がありますが、それらとの大きな違いはラスト(木型)です。「1878」と「1879」はモディファイドラストで作られています。一方、アメリカのスタンダードである「954」と「1655」はアバディーンラストです。
コードバンモンクストラップ「1878」と「1879」については、衝撃的なタイトルのこちらの記事も参考にしてください。
「954」「1655」のスペック
まずは「954」から
オールデン「954」ダークバーガンディ コードバン モンクストラップ
ラスト:アバディーンラスト
スタイル:プレーントゥ シングルモンクストラップ
革:シェルコードバン
カラー:♯8 ダークバーガンディ
アウトソール:シングルレザーソール
ウェルト:270度フラットウェルト
続いて「1655」です。
オールデン「1655」ブラック コードバン モンクストラップ
ラスト:アバディーンラスト
スタイル:プレーントゥ シングルモンクストラップ
革:シェルコードバン
カラー:ブラック
アウトソール:シングルレザーソール
ウェルト:270度フラットウェルト
モンクストラップ&アバディーンラストの豆知識
ちょっとした豆知識として‥ご存知の方も多いかもしれませんがご紹介します。
モンクストラップについて
モンクストラップは履き口を靴紐ではなくバックルとストラップで調整する靴で、バックルが1つ付いているものをモンクストラップと呼びます。バックルが2つのものをダブルモンクストラップと呼ぶため、より厳密に「シングルモンクストラップ」と呼ばれることもあります。
ヨーロッパのアルプス地域にいた修道士が15世紀頃に履いていたサンダルが原型で、彼らを意味する英語“Monk”からこの名が付いたようです。
モンクストラップのトゥはプレーントゥからUチップまでスタイルの許容度が比較的広く、革やソールの素材が変わることで武骨なもの、カジュアル感の強いもの、落ち着きのあるもの、ドレッシーな表情のものなど様々です。オールデンの「954」と「1655」はプレーントゥで落ち着きのあるドレッシーな表情に仕上がっています。
アバディーンAberdeenラストについて
アバディーンはオールデンを支える主要ラストのうちの1つです。ドレス系の木型のため、細身のフォルムとなっています。名前の由来はスコットランドの老舗ゴルフ場で、ゴルフが趣味だった当時のオールデン社社長が命名したそうです。調べてみたところ、スコットランドのアバディーンという場所に1780年からある「ロイヤルアバディーンゴルフクラブ Royal Aberdeen Golf Club」というゴルフ場がありました。このゴルフ場のことかと思われます。
アバディーンラストは、モンクストラップ「954」「1655」の他に、ストレートチップ「2160」「2161」、Uチップ(NST)「2210」「2211」、タッセルモカシン「563」「664」にも使用されています。ちなみにこのタッセルモカシンはオールデン社が1948年に世界で初めて生み出したデザインです。
「954」「1655」にダークスーツのコーデもOK!
モンクストラップはスーツに合わせていいものか?革靴の中でどのポジションにある靴なのか気になるものですよね。モンクストラップは紐靴よりはカジュアルと見なされますが、立ち位置としては紐靴とローファーなどのスリッポンタイプの中間です。オールデンのモンクストラップであればダークスーツとも問題なく合わせられます。
モンクストラップを選ぶ男性はどのくらいいるのか気になったので、電車に乗ると男性の靴をチェックする癖のある筆者が見たところ40~50代くらいの男性が履いている率が高かったです。ある程度紳士靴に慣れ親しんだ方がモンクストラップを選ぶのでしょうか。
「954」「1655」の持つ魅力
ホーウィン社のシェルコードバンの美しさはさることながら、プレーントゥの面積が大きいためどんな履きジワを育てていくかという楽しみがあります。モンクストラップにも羽根が存在しますが(紐靴ならこの部分に紐が付けられる)、羽根部分のラインがしっかり出ているところにオールデンらしい武骨さを感じます。バックルがない方から見ればすっきりとしたシルエット、バックル側から見ると羽根とバックルが見えて武骨な印象、前から見ると履きジワを拝められるという見る角度によって変わる表情が「954」「1655」の持つ魅力ではないでしょうか。
「954」「1655」の良さを伝えてくれる言葉
私は女性なので紳士靴は男性が履いているのを見て楽しむ専門です。実際に履いてみるとどうなのか?やはりそれが知りたいですよね。ネット上で見つけた良さを伝えてくれる言葉を紹介します!
「NATORIYAさんのサイトより引用」
アバディーンはタイトな設計で、そのため履き慣らしを要求してきますが、馴染んでくると実に爽快であり、さらに長年履き込むと手放せない味わいのある履き心地へと進化します。オーナーさんの足型に染まりきった954は芸術的な美しさも魅力です。
革ベルトに直接バックルを通す事はせず、伸縮自在のエラスティック素材でエクステンションすることで、バックル自体に稼動域を持たせてあり、靴べらがあれば (最悪無くても!) ベルトを外す事無く脱ぎ履きができる優れものです。脱ぎ履きの多い仕事に従事されている営業マンなどには最適です。またベルト調整穴は5個あり、この伸縮域との組み合わせで調節範囲は実に微細に選択が可能。このバックル自体も真鍮で作られている超こだわりで、アッパー共々磨く楽しみがあります!
私見ですが、クォーターのカットライン、特に羽根部分のエッジは、オールデンの中でもピカイチのカッコ良さではないかと思っておりますし、プレーンノーズのお陰もあって、甲部分に入る皺の格好良さと言ったら言葉では表現のしようがないくらい感動ものです。
「954」「1655」の履きこなし~秋冬に着てほしいコーディネート~
個人的にはモンクストラップは落ち着いた雰囲気を持つため、季節でいうと秋から冬に履いてほしいと思います。夏は軽快で若々しい印象を与えてくれるローファーを履き、秋冬は渋みを感じさせてくれるモンクストラップを履く‥そんなファッションが素敵だなと感じます。
合わせる服はダークグレーのコートに暗めの色合いのズボン、こちらは落ち着いた印象になります。若い方ですと靴のバックルに合わせて留め具のあるダッフルコートを合わせるとコーディネートのセンスを感じますし、優しくカジュアルな印象になります。ダークな色になりがちな季節にモンクストラップでエッジを効かせてみてはいかがでしょうか?
最後に
モンクストラップの記事を書くにあたり男性雑誌などをチェックしましたが、なかなか大々的な記事が見つからなかったので、1つの記事にしたら面白そうだなと思い今回のブログにまとめました。モンクストラップの魅力を少しでも再発見していただけたら嬉しいです。
Sumire
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