こんにちは、うりちきです。
そろそろ紫外線が最も強い時期が終わり、この先の秋にかけては雨の日が多くなりますね。
紫外線は春から初秋にかけて強くなり、8月頃までがピークと言われています。
また、特に東京をはじめとする地域では、実は9月と10月が1年で最も降水量が多い月であり、雨対策も欠かせません。
そこで今回の記事では、これらの季節的要因によってオールデンのコードバンシューズに与えられるダメージと、その対策方法に焦点を当ててみます。
紫外線からのダメージのケア、これからの雨対策、そして保管中の注意点など、皆さんのオールデンが長持ちするための情報をお届けしましょう。
オールデンの日焼けダメージのケア
夏の紫外線は皮膚だけでなく、革靴にもダメージを与えます。
以下では、そんな日焼けダメージからオールデンを守るためのケア方法について紹介します。
革靴の日焼けダメージ
革靴が紫外線を浴びることで、主に「色褪せ(いろあせ)」や「乾燥」といったダメージが起こります。
元々の色味や鞣し(なめし)の方法にもよりますが、一般には赤みが抜けて黄色味が強くなるような変色が起こりやすいとされています。
また乾燥は、革靴を長く大切に使うためには特に避けたいトラブルですね。
特にコードバンの場合、毛羽立ちが起こってあの独特の光沢感が失われたり、裂けやすくなるリスクもあるので要注意です。
日焼けダメージへのケア
色褪せのケア
紫外線や乾燥によって革靴の色が変色してしまった場合は、軽度であれば色付きクリームを使ってケアしましょう。
クリーナーで汚れを落とした後、色付きクリームで補色して、最後にブラッシングと磨きで仕上げます。
コードバンの場合は、コードバン専用のクリームを使用します。
オールデンに使用されているものは、ご存知ホーウィン社のオイル仕上げコードバンなので、例えば染料仕上げのものほど大きな退色はしにくいです。
しかし変色や左右の色差などがどうしても気になってきた場合は、リペアショップのプロに染め直しをお願いするのも1つの手でしょう。
※A Shine And Geekからひとこと
店舗のショーウィンドウで長期間展示されている靴など、陽の当たり方の偏りにより、片方だけ色が変わってしまうことがあります。このような靴は安価に入手するチャンスです。セール品として並ぶのはいつですか?と聞いてみると良いでしょう。
乾燥のケア
紫外線によるダメージだけでなく、冬場の乾燥の際も同様ですが、乾いてしまった革靴には栄養補給が必要です。
古いクリームや汚れを落とした上で、保革クリーム(M.MOWBRAYやBoot Blackのデリケートクリーム、リッチモイスチャー等)を塗って馴染ませます。
ちなみにシェルコードバンのケアについては、ホーウィン社のブログにお手入れ方法が記載されています。
ベネチアンクリームやSaphirNoir(サフィールノワール)コードバンクリーム を塗った後、最低10分(なんなら一晩)おいてから、可能な限りブラッシングするそうです。
ご興味のある方は是非一度該当ページをご覧ください。
※A Shine And Geekからひとこと
上記のリンク先の記事にもある"Mac Method"はオールデンマニアの中では有名な言葉です。かつてインターネット上でAnkle Mac(アンクルマック)と呼ばれた大先輩が提唱したケア方法です。Ankle Mac(アンクルマック)については過去の記事も参考にしてください。
エイジングを楽しむ
とはいえ、オールデンユーザーの方にとって、恐らくエイジング(経年変化)も楽しみのうちの1つでしょう。
そのため、乾燥やひび割れなど、靴の寿命に関わるトラブルはしっかりとケアしながら、日焼けによる変化を楽しむのも1つの考え方ですね。
※A Shine And Geekからひとこと
オールデンのコードバンマニアたちは、ケアについてそれぞれのこだわりがあるものです。笑
私はオリジナルの色が好きなので基本的にコードバンの靴に何かを染み込ませたり、乗せる行為は可能な限り避けるようにしています。ブラックコードバン等の色味の濃いものであればそこまで神経質になる必要はありませんが、色味の薄いコードバンは「ナチュラル」や「透明」なクリームであっても若干の影響を受けてしまいます。
だから私の場合、明らかに乾燥してしまった時、変色してしまった時、靴をコンクリートに擦ってしまった時、などなど、ここぞ!という時に満を持して登場するのが上記のプロダクトやメソッド、というふうに捉えています。
普段はブラッシングだけして、たまに以下のオールデン純正のPaste Waxを使う程度です。
事前にできる日焼けケア
さて、前の段落では既に発生した日焼けダメージに対するケア方法を紹介しましたが、ダメージを最小限に抑えるための事前ケアについてもふれておきましょう。
ここでは、オールデンの革靴を紫外線から守るための予防策について解説します。
UVカットスプレーの活用
革靴を含め、革製品に使えるUVカットスプレーというものも市販されています。
これを使用することで、紫外線による過度な乾燥や色褪せを、ある程度防ぐことができるでしょう。
日常的なケアが重要
しかし、先ほども述べましたがオールデンの魅力の1つはエイジングです。
この点を考慮すると、UVを完全にカットするのではなく、ダメージを過度にしないようなケアの方法も抑えておきたいですね。
·乾燥の防止: 特に紫外線が強い日は、外出する前にシューケアクリームやモイスチャライザーを使って革をしっかり保湿しましょう。
·色褪せ対策: 紫外線は特に色褪せの原因となりますが、定期的に色補正ができるクリームやワックスを使用することで、色褪せを最小限に抑えられます。
オールデンの保管方法:日焼けと湿気への対策
オールデンの革靴を長持ちさせるためには、勿論保管中のケアも欠かせません。
以下ではその具体的な方法を簡単に紹介します。
保管場所の最適化
革靴を長持ちさせるためには、保管場所の選び方が特に重要です。
色褪せを避けるため直射日光の当たる場所は避けて、湿気の篭りにくい風通しの良い場所が保管に適しています。
靴の保護:靴袋とシューツリー
布袋やシューツリーは、それぞれ保管中の傷や形崩れを防いでくれますが、使い方に注意が必要です。
布袋の使用は、靴の保管場所にもよりますが、通気性が悪くなる分、雑菌の繁殖やカビ、湿気の原因となってしまうことがあるそうです。
シューツリーの使用方法については諸説ありますが、オールデン製品を取り扱うラコタハウスでは、特にコードバンの場合、革が広がってしまうことを防ぐために1週間以内の使用をおすすめされています。
参考)THE LAKOTA HOUSE Alden純正 Shoe Tree の商品紹介より
”(注)コードバンは形状記憶に優れており、長期間ご使用すると必要以上に革が広がる場合がございます。コードバンの靴には1週間以内のご使用をオススメいたします。”(引用元)
※A Shine And Geekからひとこと
シューツリーについて、1週間以内の使用をすすめるとありますが、その期間について神経質になる必要なありません。むしろシューツリーはずっと無いより、ずっと入れておく方が良いです。変なお客さんからの変な言いがかりを考えてそのように言っているだけ、と受け止めています。
しかしモディファイドラストの靴には、オーバーサイズの純正シューツリーを入れるべきではない、とは考えます。モディファイドラストの構造上、直線的な"強い力"をかけることは、靴の変形につながり得るからです。ジャストサイズの物を選ぶか、お持ちでない場合はトゥー部分の小さな、スプリングタイプのシューキーパーを選んでも良いかもしれません。
湿気対策を万全に
また、カーフ、コードバン問わず、湿気は革靴の大敵です。
保管中にカビが生えた!なんてことにならないためには、湿気対策をしっかりと行いましょう。
湿気の篭りにくいところを保管場所に選ぶ、乾燥剤と一緒にしまう、カビ防止スプレーを活用する、などの対策を行うと良いでしょう。
雨の季節に向けたオールデンのケア
さてこの先、雨の季節が近づくにつれて、しっかりとした雨対策も必要です。
特にコードバン製の靴は、ご存知の通り雨に非常に弱いため、特別な注意が必要です。
雨が革靴の大敵である理由
まず素材を問わず革靴には雨が大敵とされますが、これは雨染みができたり、形が縮んだり、カビが発生する恐れもあるためです。
特にコードバンの靴は、「水染み」や「水膨れ」が発生しやすく、基本的に雨の日には履いてはいけません。
基本的な雨対策
革靴を雨から守る基本的な手法としては、例えば以下のようなものがあります。
·普段からワックスをしっかりと塗り、軽い撥水を保つ
·必要に応じて防水スプレーを使用する(ただしシェルコードバンにはあまりお勧めされない)
·もしもの雨に備えて、防水のシューズカバーを持ち歩く
靴が雨に濡れた場合の対処法
また万が一、靴が雨に濡れてしまった場合には、以下の対処法が有効です。
·形を整えて、風通しの良い日陰で乾燥させる
·ダメージに応じてクリームやブラッシングでケア
もしコードバンが濡れて水膨れができた場合は、保湿クリームを塗ってから、スティックで水膨れを潰し、磨いてブラッシングするなど、ケアには少し手間がかかります。
(オールデンのシェルコードバンはオイル仕上げなので、特に普段からしっかりと手入れをしていれば、それほどすぐには水膨れまでになりませんが……それでも避けた方が無難ですね)
事前の対策を万全に
最後に、革靴好きにとって事前の予報チェックや雨対策が非常に重要です。
雨予報のある時は、特にコードバンを履かず、できれば雨の日用の革靴を履くことをおすすめします。
過去の記事も参考にしてください。
社会人に必要な革靴は何足?革靴を長持ちさせる着用頻度を考察!
ダメージのケアや事前予防にはプロの技もおすすめ
オールデンの革靴を長持ちさせるためには、日々のケアが欠かせません。
しかし、乾燥によるひび割れや雨による水膨れなど、自力でのケアが難しいダメージが発生した場合には、専門家の手による修復が必要です。
またリペアショップによっては、修理だけでなくデイリーケアについてもしっかりと相談に乗ってくれます。
特に自己流のケアに不安を感じている方は、専門の意見を求めると良いかもしれません。
当ブログで以前に紹介したBROSENT(東京・目黒)は、オールデンのコードバンの染め直しにも力を入れています。
日焼けによる色褪せや雨染みなど、様々なトラブルをこの染め直しで改善できる可能性があるそうなので、もしもの際には是非ご相談してみてください。
オールデンを修理するなら~凄腕の靴リペアショップシリーズ~《BROSENT(ブロセント)》目黒
まとめ
今回の記事では、紫外線と雨によるオールデンの靴へのダメージと、それに対する具体的な対策方法について詳しくご紹介しました。
今年の夏の紫外線ダメージのケアや、これからの季節に必要な雨対策、必要であればプロの技も活用して、あなたの大切なオールデンを良い状態に保ちましょうね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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