こんにちは!イギリスとエールビールが大好きなライターanzuです!
前回、前々回はアメリカ生まれのブランド「フィルソン(Filson)」をご紹介しましたが、今回はオールデンとエレガントにコーデできるスコットランドのアウターブランド「マッキントッシュ(MACKINTOSH)」のゴム引きコートをご紹介したいと思います!創業当時の革新的発明を尊重し、200年以上変わらぬ製法で作られる、英国らしいアイテムです。
以前、私が書いた「フィルソン(Filson)」の記事もご覧ください
・ティンクロスフィールドジャケットについて
FILSONの「TIN CLOTH FIELD JACKET」を冬のオールデンにコーディネートする
・マッキーノクルーザージャケットについて
フィルソンのマッキーノクルーザージャケットはオールデンにもコーデできる
マッキントッシュ(MACKINTOSH)とは
マッキントッシュは1823年、スコットランドでチャールズ・マッキントッシュが設立したブランド。当時革新的であった、マッキントッシュクロス(生地)の発明によって生まれました。
19世紀初期、雨の多いロンドンは、街に馬車が行き交っていた時代です。雨を防ぐには、油を染み込ませた布を用いる他なく、人々は雨風を防ぐのに苦労していました。そこでスコットランド・グラスゴーのチャールズ・マッキントッシュは、後にマッキントッシュクロスと呼ばれる「ゴム引き生地」を発明し、世界初のレインコートを作り出したのです。
この革新的なコートは全英中に衝撃を与え、乗馬用コートやレインコートとして瞬く間に広まりました。その機能性から、英国陸軍のコートや英国国鉄の外套にも使われています。
以降、人々の生活を一変させた革新的なコートは、200年以上同じ製法を続けながら、デザインや素材においては様々な研究、改良を加えて時代性のあるコレクションを展開させています。
MACKINTOSHのゴム引きコート
19世紀にマッキントッシュが発明したゴム引き生地(マッキントッシュクロス)は、コットンとコットンの生地の間に溶かした天然ゴムの溶液を塗って、熱を加えて接着した防水布です。
このゴム引き生地を縫って作るのがゴム引きコートなのですが、縫い目からの浸水を防ぐため、全ての縫い目の裏側には止水テープが貼り付けられています。驚くのは、この作業がすべて手作業だということ。職人が指で接着剤を塗りテープを貼り、ローラーをかけて乾かす、という産業革命前の製法が200年以上経った今でも続けられているのです。
熟練の職人によって作られたゴム引きコートは袖を通すと、独特な衣擦れの音や、微かなゴムの匂いがします。また、馴染んでいくまでのハリのある肌触りも特徴です。無駄を削ぎ落とした、英国の伝統を感じさせるシルエットは、時代を超えてジェントルマンの装いを完成させます。
私のおすすめモデルはDUNKELD(ダンケルド)
※写真はMackintoshの日本語サイトから
マッキントッシュのゴム引きコートのシリーズの中で、私のオススメはダンケルド。襟(えり)の後ろが高く、前が低く、折り返す形が特徴のステンカラーコートです。独特の傾斜とコンパクトな肩周りから、裾(すそ)に向けてほんのり広がっていくAラインのシルエットで、オールデンとコーデしてみると、エレガントな印象を与えます。スタンダードでありながらも少しゆとりがあり、スーツやジェケットの上にも羽織りやすいので、オールデンと合わせてビジネスでもカジュアルでも使えます。ちょっとした悪天候であればコマンドソール仕様のブーツとともに優雅に乗り切れそうです。
ボリュームのあるスコットランドのウールニットの上にも着てもサマになります。
5つボタン留めのフライフロントで、各ボタンにはブランドの刻印が入っているのも素敵です。
首への風の侵入を防ぐため、襟を立てた時にに留めることができるチンタブ、取り外し可能なウールのライナーが付いているので、防寒性もばっちり。
高いネックポイント、洗練されたAライン、立体的なシルエットは小顔効果があり、着る人をシャープに男らしく見せてくれます。
何と言っても、ゴム引き生地の美しく、立体的なハリ感は唯一無二のタイムレスな魅力に溢れています。
最後に
19世紀初期から、200年以上経った今でも職人の手によって1着ずつ作られているコートには、英国の歴史と文化が詰まっています。縫い目の裏側に止水テープを貼る作業なんて、何十年も昔から機械で簡単に出来たはずです。
手間も暇もかかるから、大量には作れず、値段も安くはできない。だけどあえて手作業にこだわる。「古いものを愛する」「手間暇をかけて作られたものに価値を見出す」「歴史を重んじる」
衣食住どんな分野であれ、常々そんな英国スピリットを感じさせられます。
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